天啓の乙女と黄金の槍兵

聖杯戦争前日 5 ページ15

春崎に着きました。
ちなみに用意周到な私は既に隠蔽魔術を発動させている。これでくるくるヘアーからも見つからないはずだ。

「ではこの辺りの駐車場で待機しておりますので何かありましたらすぐに連絡をしてください。」

「わかりました。ありがとうございます。」

「感謝する。」

白絹さんは私たちを駅前に降ろした後、車で走り去った。


「そうだ、カルナにもいろいろ教えとくね…、」


ここが春崎。
春崎には大きく2つに分けられる。1つは私たちが今いる、駅などがある都会的な地域。
もうひとつは海沿いの田舎的な地域だ。先日行った教会もそちらにある。

私の家からは田舎的な地域の方が近い。私の家は山の中にあるが田舎的地域の近くのトンネルをくぐって車を走らせれば割と簡単に着ける。

そうそう春崎には2つ魔術師の家がある。1つは先日教会で会ったあのいけ好かない神崎。奴は比較的新しい家系で都会地域を縄張りにしている。

もうひとつは上条家だ。こちらの情報はとても少なく、春崎の田舎地域の霊脈を抑えているという事しかわからない。それなりに歴史のある家だが、聖杯戦争にも滅多に参加しないらしく謎に包まれている。


「成程。大方理解した。その上条とやらは気になるが現時点で動きはないんだな？ならば当面は他の魔術師の動向に注意しよう。」

「うーん…そうしたいのは山々なんだけど、私が知ってる他のマスターって神崎しかいないんだよね…。だから他のマスターについて調べるためにも春崎に来てみたんだけど、さすがに聖杯戦争前日だと正体隠してるよね…。全く知覚できない。」

魔術師は他のマスターの魔力をある程度感知することが出来る。しかし現在、他のマスターの魔力は感じない。

「カルナの方はどう？サーヴァントはサーヴァントを感知できるんだよね？」

そう、サーヴァントはサーヴァントを感知できる。もっともそれはかなりサーヴァントごとに差があって、索敵に優れたキャスターならば街全体、あるいはそれ以上を見渡せるらしい。
しかしカルナはランサーのクラスのサーヴァント。あまり索敵能力は高くないのだろうか。首を横に振った。

「全く感じないな。気配遮断スキルを持ったサーヴァントなのか、マスターが隠蔽しているのだろう。」

「そっか…。仕方ない、今日は大まかな地形を把握するだけにしとこう。」

「承知した。ではどこに向かおうか、マスター。」

「もう決まってるよ、最初は…ショッピングモール。」

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