第9夜 ページ10
『...詳しくは、説明しない』
ピクリとエルヴィンの眉が動く。
「何故？」
『...巨人を早く倒すため』
「...それとこれとの関係は？」
『だって...貴方達からすれば、外の世界は未知のもので溢れているんですよ？見たくて、憧れますよね？
海って話しただけでそんな怖い顔してるんだから...どんな事情があるのかは知らないけど、未知なるものへの高揚感は、力強い原動力となる。
それを、殺.意へと上手く変換できる人も少なくない。
あとは 百聞は一見に如かず。ってことで』
変わらなそうなAの意志を感じとり、エルヴィンは肩を竦めた。
「...わかった。今のところは引き下がっておこう。
ところで、君は外の世界を知っているような口ぶりだったが...他にも壁の中にはない現象はあるのだろうか？」
そう質問する青い瞳には、純粋な好奇心が見え隠れする。
『...ありますよ、たくさん』
「そうか」
彼の口角が上がる。これは、自然と溢れた、心からの笑顔だと言っていいだろう。
対してAは、少し年寄りじみたような、何処か遠くを見るような笑みが零れた。
ふぅ...と、Aが深く息をつく。
『...いつまで、ここに閉じ込められていればいいんですか？』
「...今、上層部に話をつけようとしている」
『へぇ。どんな？』
「...調査兵団に入れるための話だ」
『調査兵団？』
知らないのか、と驚かれたが、丁寧な説明を受け彼女は呟くように言う。
『...それはそれは。私を一番活用できそうな部署ですね』
「強大な力を持っているであろう君の管理も一任する予定だ」
『...私、そう簡単に制圧されませんよ...？』
彼女は苦笑いをしながら、そう告げる。
「...こちらも巨人相手に生き残っている強者揃いだ。最近は有望な奴も入団したから、心配はいらない。
そうだろ、リヴァイ」
エルヴィンは振り向き、リヴァイを見た。
当のリヴァイは顰めっ面のままだが。
『なるほど。準備は万端なわけですね』
「まだ時間は必要だがな」
『ん〜...確かに いきなり何処の馬の骨とも知れない輩を取り込むってのは、怖いでしょうしね』
懐かしむように、彼女は目を細める。
「しかし人類の勝利のためだ」
はっきりと、言いきったエルヴィンの目を見つめた。
『...随分と知識欲な人なんですね』
腹の底を見抜いた その発言は意外だったのか。
かなわないな、と彼は笑う。
失礼ながら、見た目にそぐわない、無邪気な笑顔だった。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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