第5夜 ページ6
「いいのか？あくまで君は罪.人だ。拷.問だってできるんだぞ」
このまま話してくれるとありがたかったが、エルヴィンの思惑通りには進まない。
『そうですねぇ...でもそんなことしないんじゃありませんか？ほら、この手枷。こんなに頑丈なものして...私が怖いんですかね』
...図星だ。彼は眼光を鋭くする。
『もしかして...“何か”見ましたか？』
「...“何か”、とは？」
『見たら怖くなるようなものですよ』
あえて曖昧にするのは、自分から口を滑らせる可能性を少しでも減らすためか。
この手のやり口では落ちないようだ。
「...そうだな。君は1度巨人に噛まれたにも関わらず、生きていた。
そして、巨人を紙のように薄く潰したな」
見たことを述べ、少女の出方を待つ。
『あぁ...あれですか...困っちゃいますよね。急に噛み付いた挙句、意思疎通もできないとは。
相手には申し訳ないですけど、急所もなにも分からないのでとりあえずぺしゃんこに』
彼女はへらりと言った。
...こちらが正直に言っただけ、向こうも話すといったところか。
そう判断し、次の疑問点に移る。
「どうやって潰したんだ？」
『どうって...』
彼女は考える仕草をすると、悪戯っ子のように無邪気に笑った。
『魔法！』
「...は？」
予想外の返答に、彼はまたしても間抜けな声が出る。
いくらなんでも魔法はないだろう。誤魔化すにしたって、冗談がすぎる。
「...真面目に答えてくれ」
エルヴィンが額に手を当てながらそう呟くと、Aは初めて柔和な笑みを浮かべた。
『無理です』
「...何故だ」
表情と内容のギャップが激しいが、彼女は笑みを崩さない。
『まずひとつ。君達を信用できていない。そんなに安っぽい情報なんて持っていません。
ふたつ。わからないことが多すぎる。出来れば色んな種類の本が欲しいです。私の中の常識とはかけ離れていて、頭の整理がつきません。
みっつ。私が私のことを分かっていない。これは事実です。予想はできますが、何故自分が倒れたかすら確証を得ていない。
まとめると。信頼できる相手に、確かな情報だけ渡します。と、いうことです』
立たされている三本の指。囚人とは思えない程の態度。冷静かつ真っ直ぐな目。
テコでも話さなそうだ。
エルヴィンは、再度ため息をついた。
「また明日、来る」
『はい。お待ちしております』
にこやかな彼女を背に、階段を登る。
これはかなり大変な任務になりそうだ。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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