第25夜 ページ26
ハンジ、エルヴィンの順で口を開く。
当然彼らはこき使える程の体力は持ち合わせていない。これから冬を迎えるというのに、木が伐採された開墾予定地であろうだだっ広い土地は、今作業している場所の何十倍もある。
『...冬まで、間に合うかな...』
「どうだろうね。憲兵が指導してるから、計画は絶対キツキツ。子供が風邪引いたり、誰かが過労で死んでしまうことは計算に入れてないと思うよ」
『...タダでさえ間に合うかな否かのところなのに、何かあったら遅れてしまうことは必須ってこと？』
「そうだね」
ハンジの言葉を聞いてから、Aは黙りこくってしまった。見かねたリヴァイが彼女の隣につくと、おい、と声をかける。
『...なんでしょう』
「こっちの台詞だ。何をそんなに悩む」
うーん、と唸った後、Aは手を挙げた。
『提案があります』
「なんだ？」
学校の授業みたいだ、とエルヴィンは小さく笑いながら彼女を見る。
『兵士として訓練するよりも先に、耕作してもいいですか？』
「「「は？」」」
思いのほか元気な彼女の声色とその内容に、3人は間抜けな声を揃えた。
『ほら、腹が減っては戦は出来ませんし、折角助けた人が食糧不足で死なれちゃたまったもんじゃないですからね！』
いや、でも、ねえ？というエルヴィンとハンジのあたふたを知ってか知らずか、彼女は俯く。
『...口減らしとか、嫌いですから』
静かな、それでいて重苦しい沈黙が訪れた。先日決められたウォールマリア奪還作戦。年があけてから決行予定のそれは表向きで、その地に向かう彼らが持たされるのは、とても武器だとは言えないもの。
要は、壁の奪還は本命ではなく、人口を減らすことを目的としているのだ。
それでは、何故ウォールマリアの住民を巨人から必死に助けようとしたのか、わかったもんじゃない。
『...ほら、私馬鹿力ですから、耕すくらいなら牛とか馬に負けませんよ』
寧ろ勝ちます、と笑顔で話すその顔からは傷心が垣間見れた。
「わかった。団長に頼んでみよう」
『ありがとうございます！』
エルヴィンは呆れたようでいて感嘆した息をはく。
いいのか、と伺うハンジ。
「...今は内部を、人民を落ち着かせなければならない」
壁外調査なんて暫く後になるだろうし、支援している貴族も羽振りが悪くなるのは目に見えている。
今のうちに信頼を得る、それも一つの戦略だろう。と、生気のない顔で鍬を動かし続ける人達に目をやった。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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