33.ねぇ、 ページ34
「明日の壁外調査は欠席しろ。」
久々に聴いた彼の声は、ドア越しだった。
それはそうだ。なぜならAはあの日から1週間と少しの間、1度も部屋の外に出ていないのだから。
今の状況、簡単に言うと引きこもり。
Aの心は崩壊してしまった。
人と関わることが少しだけ怖くなってしまった。
わざわざ向かい合うチャンスをアルミンがくれたというのに、Aはまた逃げてしまったのだ。
否、これが向かい合った結果なのかもしれない。
リヴァイが気を遣って敢えてAの元に来ないようにしていることに、Aは気づいていた。
きっと彼はそうする人だ。そのくらい知っている。
ドア越しに話しかけに来た人物はたくさんいた。
リヴァイが来たのは今回が初めてだった。
1週間と少しが経ち、そろそろいい頃合いだと思って来てくれたのだろう。
…なんて、ハンジに言ったら 高く評価しすぎだ と笑われてしまうかもしれないが。
Aはもう、思いたいように思うことにしたのだ。
「…自分をあまり責めるな。また来る。」
「リヴァイ兵長は」
かける言葉を見つけられず、返事も来ずだったので歩きだそうとしたリヴァイを止めたのは、Aの力ない声。
リヴァイもまた、Aの声を聴くのは久々だ。
Aは力の入らない脚を必死に動かしてベッドから立ち上がり、ドアに近づく。
ろくに食べず、水くらいしか飲まず、ずっとベッドで過ごしていた彼女に、ドアの前までの移動は少し過酷だった。
ドアの前に辿り着く頃、体力の限界を迎え、力なく倒れ込んでしまう。
どたん！という音にリヴァイが反応する。
「…なんだ。何があった？」
「リヴァイ兵長、ねぇ、」
Aは細くなってしまった腕をのばし、ドアに手をつけた。
「さいごに、ひとつ
…あなたは、いつになったら
わたしのものになってくれますか？」
34.さいごに選ぶのは→←32.涙以外に選べるものがないんだ
ラッキーカラー
あずきいろ
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kpopオタク - 凄く面白くて感動して一気に読んじゃいました！ (12月11日 21時) (
レス) @page37 id: a5424db4d7 (このIDを非表示/違反報告)
yukino - 感動しました 最高です 「今すぐ逃げ出したい」のところが泣けました (2021年8月25日 13時) (レス) id: 4aa75672df (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - Noahさん» 読んでくださってありがとうございます！そのように言っていただけて幸せですとても励みになります…；；今後も頑張ります！ここまでお付き合いいただきありがとうございました！！ (2019年1月14日 16時) (レス) id: ef45997a73 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - ほんとにほんとに面白いです！大泣きしました笑笑私はSunny さんの作品が大好きです！これからも頑張ってください！ (2019年1月13日 20時) (レス) id: ce4a985f40 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - 雨屋まほろさん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけて本当に嬉しいです…自信をなくしていたのでとても励みになりました；；読んでくださって本当にありがとうございました！そして私の方が好きです！(？) (2018年11月21日 19時) (レス) id: ef45997a73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sunny | 作成日時：2018年10月22日 21時
