7 ページ50
＊＊＊＊＊＊＊＊
｢……はい､お土産だよ､真知｣
放課後の生徒会室｡
真知は突然紅葉を差し出してきた由希に瞬きを一つして､ゆっくり受け取った｡
｢………｣
｢降ってくるみたいで綺麗だったよ｡
あ､直もいる？｣
｢いりませんよ､そんな葉っぱ｣
｢もらえるモンは貰っとき！！グダグダ言わんと！！
全くねぇっ！戻って直で学校寄ってやったのに可愛げのないったらねぇ！｣
｢頼んでないでしょうが！！｣
｢何も変わったことは無かった？｣
久しぶりにいつもの騒がしさを取り戻した生徒会室｡
そんな中で真知は､貰った紅葉を見つめて静かに翳した｡
ほんのりと､光り出す｡
｢んーっと……これでいいのかな……｣
｢とってもお上手ですAちゃん！可愛く出来ましたね！！｣
｢そうかな……なんかへんてこな形になっちゃった様な……でも､これで後は色を付けて完成だね｣
｢はい！Aちゃんが素敵なアイデアを思いついて下さったおかげで､更に素敵になりましたね！｣
Aと透は机に仲良く身を寄せて､出来上がった物を達成感溢れる表情で見つめた｡
｢A､透｡今いいか？｣
｢あ！は､はいい！！｣
｢今開けるね……っ｣
コンコンと聞こえたノックの音と声にビクッと肩を震わせつつも､Aがドアを開ける。
｢どうかした？夾君｣
｢いや､紫呉が今日は外でメシ食うかって……お前らまだ着替えてなかったのかよ｡二人揃って疲れて寝てたか？｣
｢い､いえこれは……つい夢中になってしまって……｣
｢夢中？｣
｢あ､えっと……お土産で買った十二支の置き物……完成させたかったから……｣
少しモジモジと両手を握りしめるAに､夾が不思議そうになんとなく部屋の中を見ると､そこには机の上に並べられた十二支の置き物と､紙粘土で作られた猫の置き物がちょこんと乗っていた｡
｢あの､色はまだなんだけど､それを塗れば完成で……｣
｢……アホか｣
そう言いつつも､夾の表情は恥ずかしそうにしていた｡
それを見て､Aも思わず顔が赤くなるのを感じながらも笑みを浮かべた｡
色をつけて､光り出す｡
第77話
｢あります｡きっと｣
……To be continued
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：言ノ葉 | 作成日時：2020年10月21日 14時
