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｢いや､良いんです｡二人に話して少しだけ勇気貰えましたから｣
そうしてまた､沈黙が部屋を覆う｡
Aはふー……っと息を吐いた後､俊平の前へと歩み寄った｡
｢あの｡夕方は保育士としての意見しか言えませんでしたから､ここからは､ただの私として言わせてください｣
｢はい……｣
｢……あの後､色々考えました｡自分に何が言えるだろう｡何ができるだろうって｡でも､考えてる内に思ったんです｡
そうしてモヤモヤ悩んで言葉を探るより､今の自分の素直な気持ちを伝えようって｡
きっと今の陽君にとっても､それが一番なんじゃないでしょうか｣
｢……素直な気持ち……｣
｢……本当の事を話すのって､怖いです｡苦しいです｡
だけど､大切なのは……苦しくても､自分の言葉で､本当の事を伝えること｡これからも､一緒に生きていくために｣
Aの言葉に､俊平は唇を噛み締める｡
そして礼は､蒼介の隣に座ると､先程Aにも見せたノートと､その他の書物や資料を向かいに座る俊平へと差し出す｡
｢これ……自分なりに調べました｣
差し出されたノートを手に取り､俊平が中身を確認する｡
書かれていた内容に､戸惑いながらも顔を上げた｡
｢……俺のために？｣
｢私から言えることは何も無いので､専門家の意見を｡
どの資料にも､｢子どものために曖昧な表現をするより､きちんと真実を伝えるべき｣
とありました｣
｢……真実……？｣
俊平はAの方へと視線を向けると､Aも強く頷く｡
｢……私も､雫にちゃんと伝えるべきことを､誤魔化してます｡
……パパとどうして一緒にいられないのか｣
｢…………｣
｢“お仕事で忙しい”
そうとしか答えられません｡
でも｡いずれ､自分の言葉で､本当の事を伝えようと思っています｡
大事なのは､真実を伝えたあと､子どもとどう向き合っていくかだと思います｡この先も……ずっと｡
……今の私に､言える資格ないですけど｣
Aと礼｡二人の言葉を受けて､俊平の心の底に固まっていたものが､スーッと溶けていくような気がした｡
二人に言われるまで､気づくことが出来なかった｡
｢……自分の言葉で､本当の事を伝える｡
そっから始まるんですね｡
俺､もう……なんて言おうか迷ってばっかりで､まだ始められてさえなかった｣
そしてしばらくの沈黙のあと､ようやく俊平は顔を上げた｡
｢行ってきます｡前に進むために｣
｢……うん｡新しい一歩だ｣
俊平は蒼介の言葉を受け､一呼吸入れて立ち上がった｡
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とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
