はむ・ハム・チェリー 3

89 F side 2人で晩ご飯 2 ページ20

.

「ヒマワリのタネで･･･イイ。」


(はぁ？)

話が 見えない。

ヒロが 溜め込んでたモノを
受け止めるつもりで 構えてたのに･･･


でも、レンゲが割れそなくらい
じっと一点を 見つめてる その顔は
とても 冗談 言ってる顔じゃなくて。

(雑炊が イヤだったとか そゆコト？)




「ピザとか 贅沢なの いらねーから･･」

「うん？」

(あ、やっぱり 雑炊が 気にいらないって？)




「せ、《誓約》なんて とっくに無効なの
わかってっし？

だし、お前が 女抱いても
誰かと一緒に 住むよになっても
ぜんぜん たりめーだって 分かってっから。」


(はぁ。 雑炊は どこいったの？)



.





「だから よぉ･･･


藤ヶ谷んトコ･･･ずっと 置いてくんねーかな。

俺が･･･ ハムのまんま 戻んなくなって
仕事も、稼ぎも 無くなっても･･･

お前んトコで ･･･ 飼ってくんねー かな。

な？ 贅沢 言わねーから さ。
毎日 ヒマワリのタネで イイ ･･･か ら･･･」




小さく震える レンゲ。

ポトリ。

と 布団に染みてく 涙。





「･･･ ひ ･･･ ろ？」



.



イキナリの話に 頭がついてけない。


雑炊が イヤだったんじゃないのは 分かった。


《誓約》が 無効だなんて
俺だって とっくに分かってる。

『メジャーになるまで 女は 抱かない』

ヒロの《エントツ掃除》に頼らなくたって
俺は 自由に 女を抱ける位置には
立ってると 思う。



なのに《エントツ掃除》。


「ヒロ･･･」

「な、ほら、お前、《ヒロ》好き なんだろ？
《ヒロ》なら ジャマんなんねーし？」


(その理由を 分かってたんじゃ なかったの？)


ふいっと コッチ向いた 顔から
また ポロリと 零れ落ちる 涙。




なんで 泣くのに そんなコト言うの。

俺が 女抱いてもイイ とか、
ハムのまま とか、
ヒマワリのタネ 食べたい と･･･か･･･？

ヒロのコト、好きに 決まってるでしょ！


なんで さ？

分かってんじゃ ないの？







.








･･･ ん？！



ハムの まま？







.



「･･･ ヒロ･･･ 」


そうだ！
肝心なコト 飛んでた。

今回は 俺とずっと一緒にいたのに
ヒロは ハムの《ヒロ》に なったんだった！




.




「ねぇ、教えて？

どして ヒロが 俺んちで ヒマワリのタネ
食べるコトに なんのか。

何か 変わったコト あった？
俺が 気付けてない 何かが あったんでしょ？

ちゃんと 言ってくんなきゃ 分かんないよ。」

90 F side 2人で晩ご飯 3→←88 F side 2人で晩ご飯 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す