はむ・ハム・チェリー 3

81 M side 密林ですな 2 ページ12

ジャングルの フロアから
階段を駆け上がって
中段フロアへ 一目散。

俺の大事な《人類の武器》を 隠すのも忘れて
ガヤさんに向かって ダッシュ。


「なに？ 宮田、どした･･」

隣りの横尾さんが 訝しい顔してるけど
ここは もう笑うしか ないでしょ。



「い、いや、チョット さ。へへへ」

泡だらけの頭の下、
タオルを敷いた ガヤさんの 太腿の上。

飛んでくる 泡つぶを 避けながら
短い手で 目の上を クシュってしてる
《もけみつ》を 発見した。


「え？ 宮田？ いんの？」

目を閉じた 泡まみれの顔が
コッチを 振り返る。



「が、ガヤさんっ、ゴメンっ！！
チョット 拝借するねっ//」

「ぢぢっ//」


お行儀よく 揃えられた 太腿に 伸ばした手が
ちっちゃな もけもけを ワシ掴みにして
走り出す。

はい、逃走。



手には《もけみつ》握りしめて
《人類の武器》ブラつかせて
タイル張りの床から 階段へ。



「ちょｯ！ おいっ、宮田っ！ 」


(ガヤさんの声、マジギレのヤツじゃん)

階段の手摺りつかんで 声の方を
チラっと振り返ったら･･･


アタマ泡あわのまんま
俺と同じく《人類の武器》を隠しもせずに
コッチに 駆けてくる キングの姿が。



「おまっ、ヒロ返せ。返せよっ！ ヒロっ？」


マジでキレてる キングの顔、
初めて 目にした
股間でスイングする《武器》も キングで。


「ひぃぃいいいっ！」


黒服のハンターなんかより ずっと怖い。
ガチの《逃走中》だよ。



(あー// もうしません。ゴメンなさーい。)

(ガヤさんの マジギレ 怖すぎるー！)

(やっぱ ガヤさんの《ヒロ愛》はハンパない)





とりあえず たま んトコまで。

たま に何とかして貰おうと
石タイルの ジャングルフロアを
《もけみつ》握りしめて
必死で 走った。



(コレ･･･冗談で 済まないヤツじゃない？)

(殺られるのは やっぱ 俺･･･だよね)

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