はむ・ハム・チェリー 3

109 F side ご期待に添えず 1 ページ40

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「･･･ ねーよ、んなモン。」







長いテーブルの 真ん中。

そう言い捨てた 黒いキャップは
つば先を落としたまま プレートの唐揚げを
立て続けに 飲み込んでく。


(もう･･･ ヒロったら)

皆んなが 心配してたコト 分かってる。
皆んなに 迷惑かけたコト 悪いとも思ってる。

でも、自分のコトとなると 途端に
恥ずかしがり屋の 強がりの･･･
口ベタになるんだよね。






「や、あの さ。じ、実は ヒロ･･･」

シャツの裾を ギュッて握って
腰の辺りで 迷子んなってる 臆病な左手。

を 剥がして、俺の右手で 引き寄せる。


「昨日は･･･
ハムに なんなかったんだよね。」


6つの手が 止まってるナカ、
隣りの右手だけが 忙しなく動いてる。


「でさ、今日も 皆んなと一緒に行けるかって
思ってたんだけど･･･ヒロ 熱出しちゃって。
あ、ほら、やっぱ遠征疲れとか？
緊張してたとか あるじゃない？」

皆んなの視線が
一気に 黒いキャップに集中する。


う、ウソは 言ってない。

昨日、温め直したピザ食べながら
皆んなと同じ便に乗れるなって
確かに 話してたし、
その後で ヒロが熱 出したのも ホント。

ただ、熱が出るよな 理由が
別にも あったってトコを 端折ってるだけで･･･





.





昨日の 昼過ぎ。

『なんか違うのな。
なんか 変わった《法則》が な？
また変になったってーか･･･』

ピザで膨らんだ頬っぺたが ポソって喋った。


ヒロが言うには
何か おかしいと感じてたって。
体調が。
変だったんだって。イイ方 に。

ソレは俺も 感じてた。



『太輔と別の現場だと な、
まぁ チビっと つまんねーっての？
寂しいってか 心細いってか･･･
そんな気には なんのよ？』

『っえ？』

イキナリ 俺への愛を 投下する
《天然無自覚 ミニ戦闘機》。

そんな 伸びたチーズ貼り付けた口で
語られても･･･ね。




『なんだけど、不安でたまんねーとか
ハムになりそな 切羽詰まった感じが さ、
全然なかったんだわ。ここんとこ。』


『･･･ い、 いつごろ から？』

『わかんね。や、あー･･･シェアハウス？
やったくらい から？』

(あぁ、俺と ずっと一緒にいても
ハムんなっちゃった あの時、ね)


そっからは 変わった《法則》のタメに
マメに ヒロに《エントツ掃除》して貰った。

《法則》とか もう どうでも良かったけど。




そっから･･･

あの時から･･･

あの･･･と き･･･？




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ああ。そゆこと か。


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