はむ・ハム・チェリー 3

70 Y side 見ちゃイヤ〜 1 ページ1

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･･･ ･･･ ･･･ 。




人間って。

本当に、心底 驚いた時って
コトバが 出ないって ･･･


アレ、ホントだったんだな。



「･･･ ホントウ ニ オドロイタ トキ ･･･」

頭の中の 電光掲示板が
目の前の 光景に重なって 右から左へ 流れる。




いま さっきまで。

階段の下で キャリー 引っ提げて 立ってた
青白い顔の《もうカエル君》が。

コトバ通りに『ドロン』と 消えた。


キャリーと 着ていた服だけ 残して。





ソコに 立ち尽くしてる 太輔。

の手から、抜け殻となった
みつ の服が タラリと 床まで 垂れていて。



.



･･･ ･･･ ･･･ 。





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「ギャー！！！！！ ナニ ナニ ナニーっ！」




しんとした ラウンジの空気を
イチバンに 破ったのは

やっぱり ニカ だった。



「チョッ、みつはっ？ どこ？ どこよっ！
どゆことっ？ どーなってんのっ？」

ソファから 立ち上がって
ぴょんぴょん 飛んでるニカの姿は
ゼンマイの オモチャみたいだ。

なんてコトを
沸騰しそうな アタマで 考えてる。


アゴが外れた ゴリラになってる 千賀。

白い顔が さらに真っ白になって
目玉を 落としそうになってる たま。

その肩を 抱きしめてる 鼻のデカい男前。
コイツ、シリアスな緊急事態の時ほど
《王子》感が 増すんだな。



あー･･･ 俺のアタマ よ。


ちゃんと 働け。


.





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･･･ と。


抜け殻を 掴んで
固まってた 太輔の右腕が

ゆるゆると 動いて。


左手が ふぁさり と抜け殻を 床に落とした。



布が落ちて･･･

残された 右手の平には


.





.







「･･･ ぢっ//」


「･･･ ヒ ･･･ ロ･･･」


.








そう。

『ヒロ』が ･･･


.





って？？？？



おいっ、何で ハムスターがっ？

いつの間に？

何で 手品みたいに
みつ が消えて 太輔の手に
ハムスターが 乗ってんだよっっ？


てか、太輔、ぜんぜん 驚いてないし？

『ヒロ』って ソイツの コトか？

太輔っ！ お前の ハムスターなのかっ？



『ヒロ』、ハム、『ヒロ』、ハム、ヒロ･･･



(カチャン、カチャ･･･ピー// キュルキュル･･･)

(容量オーバー！ 容量オーバー！)





「あっ！ 渉っ！」

「よこーさんっ！」




オーバーヒートした アタマの隅を
俺を呼ぶ声が よぎりながら･･･



太輔の 手のひらでモニョってる
茶色の毛玉を 捉えた視界が

一気に ブラックアウトした。

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