キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 3

69 F side もういい ページ8

《大倉》･･･


マネとの 電話で
宏光の 口から出た その名前。

単純に 俺の ヤキモチだってのは 分かってる。
宏光が 俺 以外のヤツに
そんな気が ない事は 見てれば 分かる。

ただ、相手も そうとは 限らない。

大倉くん ･･･

絶対に 宏光に対して 友達以上の
感情を 持っている。
でなきゃ、あんな 切なく優しい目で
宏光を 見るハズが ない。



「え？ 大倉と？ 組む の？」

この 一言で 何となく 分かってしまった。
至急の マネからの 電話。
《組む》という 単語。

カウコン だ。
宏光と 大倉くん･･･組むんだ･･･。



突然 コポコポと 湧き上がる
俺の 無様で醜い 感情を 読まれたくなくて･･･
会話の続きが 聞きたくなくて･･･

飲み物を 取りに行くフリして
宏光の 傍を離れた。


それが ･･･どんな結果を 招くかなんて
考えもせずに。。。




.

カウンターに 逃げ込んだ 俺は
冷蔵庫から ジュースの ボトルを 取り出し
宏光に 目をやった。

マネとの 電話は すぐに終わったのか
コッチを 見ながら 立ち上がろうとして･･･
また スマホに 視線を移した。

(･･･？)

画面を タップし スマホを 耳にあてる 宏光。

(電話？ 終わったんじゃ？ マネ？
掛けてる？ 掛かって きた？)


血管が ザワつきだした その時･･･


.

「ヒロｯ！！！！」


･･･ 宏光が ･･･

その場に 崩れ 落 ち た。


ガッシャーン////


コタツの上の 食べ物や コップを 道づれに
力の抜けた 身体が
背中から 崩れてくのが
スローモーションの様に 見えて。


「みつｯ！！？」
「え？ なにｯ！！」


カウンターを 飛び出す。

「ヒロｯ！ ひろみつｯ！」

ソファと コタツの間に 倒れた 身体を
抱き起こそうと すれば

「強く 動かさないでｯ！
頭 打ってるかも 知れません。」

佐野先生が 俺の 腕を掴む。


「みつ？ どうなってんの？」

もう 泣いてる ニカ。


その時 俺の 足元から 微かに聞こえる 声。


『もしもーし？ ボクちゃん？
もしもしー？ どうしたのー？』


その声を 拾い上げる。
もう 遠慮も 戸惑いも 未来も ･･･
俺には 関係ない。


「アンタねｯ！もう いい加減にしてくれｯ！
アンタのせいで 北山が どんだけ
傷付いたか･･･ｯ//

北山はｯ･･･アイツは ずっと苦しんでんだよｯ
アンタの 気まぐれな･･･お遊びのせいでｯ！

もう･･･ 構わないで･･･やって くれ･･･」


最後は 泣き落としの様に 吐き捨て
通話を 切った。

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