キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

38 K side いつも通り 1 ページ7

「･･･行く よ･･･？」

「･･･ん･･･」


肩に 俺の荷物を 掛け
右手に 自分の荷物、左には 大きなバッグの
よこーさん。

背中で 玄関のドアを 押し開けたまま
俺に ドアをくぐるよう 促す。

(大丈夫。普通に、自然に、いつも通り･･･)

一日中 踊り続けたみたいに 身体が 重い･･･
足元の 黒のスニーカーは 鉄みたく
俺の歩みの 邪魔してくる。




.

朝起きて さのっちに 触れられて･･･
俺は 気を失った。


よこーさんに 初めて ゾワってなった時は
何のことか 訳わかんなかったけど･･･

さのっちに 同じ感触を覚えた時 分かった。



(俺 ･･･ 触られんのが ･･･ ダメんなってる///)



動揺して 息出来なくなって･･･
苦しくて･･･ 苦しくて ･･･ 苦しくて･･･

薄れてく 意識の中
目の前に 立ち尽くす よこーさんを
ずっと 見てた。

ピクリとも 動かずに 俺の名前を 呼んでる。
さのっちも ･･･ だ。

苦しい クセに･･･
痺れてくる 身体に 触れようとしない 二人を
ありがたい と 思う 俺が いた。


次に 目が覚めた時 ･･･
さのっちも よこーさんも いつも通り･･･。
至って 普通に 俺に接してくる。

《シャワー 入っといで。転ばないでよ//》
《軽く食べたら 薬飲みましょうね》
《着替え 出しといたから》


なんも ･･･聞いてこない。

ただ ･･･ 触れても こない。

浴室に行く 途中で 俺が フラついて
壁に ぶつかっても

《///！ ･･･大丈夫？ ･･･ 気を付け なよ？》

駆け寄ってきたクセに 素っ気ない
言葉を掛けるだけの よこーさん。

薬を飲んで いくら 俺が 嘔吐いても

《もう少しで 治まりますよ･･･大丈夫》

背中を 摩ることもせず
ただ 俺が ゲロゲロ 吐いたモノを
受けるだけの さのっち。


･･･ 分かってんだ。
俺が《触れて欲しくない》こと。



目を覚まして 鉛みたいに なった身体を
マッサージしてくれる事も なく。

シャワーから出た 髪の毛を
乾いたタオルで クシャっと 拭く事も なく。


《いつも》とは違う《いつも通り》が
ぎこちなく 過ぎてく。。。


風呂と 着替えの為に
一度 家に帰る と言う さのっちを
先に 送り出して ･･･ 今に 至る。



.

(･･･どう したら いい？)

俺が こんな なったのには 心当たりがある。
きっと《あの人》だ。

昨日、俺に 汚れた記憶を 思い出させた 人。

まだ 誰も 俺との関係を 知らない 人。



出来るもんなら ･･知られたくない 人。

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