キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

37 Y side 何も出来ずに ページ6

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今、目の前で ･･･
みつが 苦しんでる。

ベッドの 上で。

呼吸を 荒げて 胸を 波打たせて。
次第に 手足を 突っ張らせ
小刻みに 震わせてる。
痙攣 してきたんだ と わかる。


「ﾊｯ ﾊｯ ﾊｯ ･･･ｸｯ// ﾌｩｯ// ﾊｧｯ ﾊｯ ﾊｯ//」


大きく見開いた目に いっぱいの涙を潤ませて
･･･ 俺を 見てくる。


《助けて》･･･ そう 言いたいのか
《ごめん》と 謝ってるのか ･･･


なのに ･･･
俺も 佐野先生も どうする事も 出来ない。

(そんな目で 俺を 見ないで くれｯ///)

そう思いながらも
俺は みつの 視線から
目を逸らせないでいた。
縋るように 俺を 捕らえる 視線。
俺が ソレから 逃げたら
とんでもなく みつを 傷付ける 気がして･･･。



まな板の上の 魚が ピチピチ 跳ねて
次第に 酸素を摂れずに 大人しくなる様に･･･

ベッドの 上で 酸素を 求めて 喘ぐ みつが
自ら 意識を手放すのを
待つしか ･･･ なかった。


「･･･ みっちゃん ･･･ ごめん な･･･」

「･･･北山 さん ･･･」




「ﾊｧｯ ﾊｧｯ ･･･ｸｯ// ･･････ ﾋｭｯ//」


長い 長い 自らとの 格闘の末 ･･･

ひときわ大きく 息を 吸った後
大粒の 雫を ポロリと こぼして
みつは ようやく 苦しみから
自分を 解放させた。




.

触れる ことが･･･ 出来なかった。

腕を取って 治療することも
苦しみに 波打つ 背中を 摩ってやることも。


ようやく ･･･
拒み続けた 持ち主の 意識の外で
触れる事を 許された 佐野先生が
力の抜けた 腕に 触れる。



「･･･ せ ん せい ･･･」

いつもは 頼り甲斐のある 大きな背中が
何故か 今は 小さく見える。
丸まって 小刻みに 震えてる
･･･ せいだろうか。



いつもの様に《大丈夫ですよ》と
ふんわり 笑って 欲しい。

みつの 為に･･･ ･･･ 俺の 為に･･･。



.

帰って来て こんな みつを見たら
太輔は どう思うだろう･･･。

他人の 肌を 怖がり 苦しむ みつを
見たい 筈が ない。

それでも 俺は 願ってしまう･･･。



(･･･太輔 ･･･ 早く 帰って来てくれ///)

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