キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

59 Y side 普段通り 4 ページ28

(･･･やられた･･･)



そう 思った。

単純に、心の欲するままに
たまは 動いた。

たまは、誰にも触れられない みつを
《独りぼっちで 可哀想》･･･だと 言った。

だから みつに 拒否されるかも という
恐れ よりも･･･
みつの 身体が おかしくなるかも という
心配 よりも･･･

みつの《独りぼっちで 可哀想》な《心》を
救おうと･･･ みつに 触れたんだ。


そして みつは ･･･
その 気持ちを ちゃんと 受け止めた･･･。



.
これでも みつの事に関しては
グループの 誰よりも 理解して、心配して
頼られてきた と 自負していた。

(あ、もちろん 太輔は 論外 だ。)



良き《母》として 身の回りの 世話を焼き
食事の 心配をする。
頼れる《兄組》として 仕事のサポートをし
手のかかる 弟達の 面倒を見る。

そして 太輔には
無二の《親友》として 悩み 苦しむ 太輔の
相談役となり･･･

俺なりに やってきた という 自負が
あった のに･･･



ちょっと みつに 拒まれた くらいで･･･
臆病に なってたのは 俺 だ。

何で もっと早く
たまの様に 荒療治に 出なかったのか。
みつの 身体を 心配してる ようで
みつの《寂しい心》を
気遣ってやれなかったのは･･･俺だ。


《寂しい》みつを 難なく 救い出した
たまに ･･･ 明らかに 嫉妬してる 俺がいる。

臆病で ヘタレな 俺 ･･･
ぐるぐる 渦巻く 醜い気持ち･･･


《過敏に なっちゃ いけませんでしたね》

佐野先生の 言う通りだ。

(ハハｯ///･･･何 やってたんだ ･･･ 俺は)



.



「･･･よこーさん･･･ よこーさん？」

相変わらず 太輔の 腕の間から 聞こえる 声。


「ん？ みっちゃん、どした？」

澱んだ心を 隠して 放った 声･･･
不自然じゃなかっただろうか･･･。


「あのさー ･･･何か 食うモン ある？
俺、安心したら さ、腹減ってきたわ。

やぱ こーゆー時は《横尾デリ》だろー///
･･･ なんて な？ ﾍﾍ///
いや、ないなら イイんだけど･･･」


たまの 手を 離し
太輔の 囲いを 解いて 起き上がろうとする。
背中を 支えられて ようやく 身体を 起こす。


少し視線を 泳がせ 俺を 探す。

･･･ 一点 で 止まる。(あ、見つけた)


何とも言えない 嬉しそうな･･･
ホッとした顔で
その 一点に向けて ふんわり 笑うんだ･･･
そう。 俺に。


「･･･あるよ。 あるに 決まってるでしょ。」



その 笑顔 だけで ･･･

澱んだ 俺の心は 救われ た。

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