キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜

9 Y side 見送って 1 ページ9

ピンポーン////♪
ピンポーン////♪


「あｯ！ 来たｯ！ 太輔ｯ// マネ 来たぞｯ//」

「んー// 今 行くー///」


リビングの ソファに
落ち着かない 様子で 座っていた みつ が
バスルームに 向かって 叫ぶ。

玄関の すぐ横に バスルーム あるんだから
みつに 聞こえてたら
バスルームの 洗面台で 髪の毛セットしてる
太輔にも 聞こえてるってば。

.




今朝から 明日の夜まで。。。
太輔は ドラマの ロケで 家を 空ける。


東京〜静岡。
車で 飛ばせば 2時間足らずの 距離。

帰ろうと 思えば 帰れる 距離だが･･･
今回、主役として 起用されてる 立場上、
監督さんから 演者や スタッフ間の
親睦も 兼ねて と 言われれば
率先して《お泊りロケ》に
参加しなくては ならない･･･当然だろう。


みつや 太輔が ドラマ班で
忙しく 頑張ってる間 ･･･
申し訳ないが 俺達《うしろ組》は
比較的 ヒマになる。


俺に《お留守番みっくん》の お守役 をと
声が 掛かるのは
当然って程 予想がついた。


数日前から･･･
太輔の《よろしく》攻撃が 始まり。

昨日は 深夜に《宏光の体調》なる
長々とした LINEの 報告が 届いた。

今朝は と言えば ･･･
俺が 家に 着くなり 自分の支度 そっちのけで
3度の薬が 入ったポーチの 確認に 始まり
エアコン、加湿器の設定、
シャワー後の みつの 着替え などなど･･･。

次から次へと 早口で まくし立てる。




「分かった、分かった///
太輔、分かったから そろそろ支度しろって！

前に お前が 入院した時だって
みつと 二人で 留守番したんだし？
そんな 心配するなっ て///」

「ぅ、あ･･･ まぁ そうなんだけど さ？」



ソファで 恥ずかしそうに
俺達の やり取りを 黙って 聞いてる みつ。

そう だろうな。
こんなに《宏光・命》オーラ出しまくりで
デレまくりの 太輔 見せられたら･･･な。




俺だって･･･
太輔が 入院してた時の あの 怖い記憶が
消えた訳じゃ ない。

心も 身体も 傷ついて
あのまま 壊れて 砕けるんじゃないか と
見てるのも 辛かった ･･･みつ。


俺で こんなに 不安なんだから
太輔が しつこいくらい
神経質になるのも わかる。




「ほら！ みっちゃん、お見送りして。
俺は キッチンの 片付け あるから//」



たった 一晩の 別れ ではあるけど･･･
色々あった 二人に とっては
計り知れない 不安が ある はず。



(みつ ･･･ 甘い お見送り しとくんだよ)

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