キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜

4 F side 前日デート 2 ページ4

高速を 飛ばして
40分 程で 目的の店。


マスクに ベージュの ハットの 宏光。
濃いサングラスに 真っ黒の ハットの 俺。

さすがに 手を引いて 歩くのは
気が引けて ･･･
宏光の 右前を 歩いて 先に入る 店内。



「いらっしゃいませ！！」

にこやかに 挨拶してくる 女性スタッフさん。
俺に 軽くお辞儀をして
戻した 視線が 後ろを 俯き加減に ついて歩く
ふた周り程 小柄な 連れを 追えば･･･

「ぁｯ/////」


両手を 口に当てても 溢れてしまった 驚き。

もう一度 俺を 見てくる。


(･･･ 仕方ない )


俺は 右の 人差し指を 口前に 立てて
少し 首を 傾け
《シーｯ//》と ジェスチャーで 示す。


「個室を。 ･･･ お願い できる かな？」

「はｯ// はいｯ！ こちらで ございます//」


営業スマイル で 何とか やり過ごす。
即座に そう判断した 俺は
ハンパない 愛想を 振り撒きながら
女性スタッフの 後に 続く。


昼間でも ライトを落とした 薄暗い 店内。

俺の 後を 追って歩く 宏光が

「ぅわｯ//」

何かに つまづいて よろける。


･･･ 迷わず 掴んだ バングルの 右手。

「･･･ 行くよ？」

「･･･ぉ ･･･ ぉぅ///」

更に 俯いて 歩く 頬は
冬だと言うのに 桜色に 染まり･･･。




.




「なぁ、俺達って さ？
意外と バレない もんなんだなー？」

なんて 頬袋を パンパンにして 喋る
能天気ハムスター を 正面に 堪能しながら
いつもより 少し 贅沢な ランチを 味わった。



食後 ･･･

念のために さっきの スタッフさんに
暫くの 人払いを お願いしてから
ゆっくり過ぎてく 時間を 二人で 過ごす。


「なぁ･･･
ちょっと ドキドキ するけど ･･･ﾊｧ･･･
外で こーゆーのも イイもんだな･･･？」


「･･･だね。スリル満点！ ･･･ﾌﾌ//」


俺の 膝の間で 少し 肩を 揺らす 息。

敢えて お互い 名前は 呼ばない。
それでも 充分に 想いは 伝わる。



いつもなら ウトウトし始める この時間も
《遠足ヒロくん》には 眠たくなかった様で。


お腹も 心も 充分に 満たされて･･･
俺達を 見ぬ振りしてくれた
有難い 女性スタッフさんに 感謝しながら
店を 後にした。

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