キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜

17 F side 紙袋 1 ページ17

後ろ髪を 引かれつつ
飛び出した 玄関。


俺の マネが 運転する バンの
後ろに スーツケース 諸共 乗り込んだ。


「おはよう ございます//」

「･･･ はよう ･･･。」

「･･･ 着いたら 早速 撮影 入ります。」

「･･･ん。 分かった。」


下まで 落ち切った 気持ちを
マネに 知られたくなくて ･･･
ボストンバッグの 外ポケットから
イヤホンを 取り出すと 早々に 耳を 塞いだ。


「･･･ ･･･」

そんな 俺を 仕方ない と 諦めた風に
前を 向いて エンジンを かけた マネ。




大人気ない のは 分かってる ･･･ 。

早朝から 俺を 迎えに来て
これから 2時間 運転してくれるんだ。

少しくらい 優しく 笑って
労いの 言葉の 一つでも 掛けてあげれば･･･

ここんとこ 俺に 付いて動く マネも
かなり 疲労の色を 見せてるってのに。


《太輔ー！ ちゃんと 仕事しろよ？！》


(宏光が 見たら 絶対 怒られ てんな･･･ﾌｯ//)


向こうに 着くまでに
何とか 気持ちを 上げれば いい･･･。

黒のハットを 目深に ずらして
音の鳴らない イヤホンを 挿したまま
目を閉じる。


。。。。。。。。。

ふっ と 意識が 戻り
自分が 寝てたんだと 気づく。

ポケットの スマホを 見れば ･･･
かれこれ 1時間半 寝てた事になる。


(ヤバ･･･ 台本 ///)


着けば すぐに撮影だと 聞いてたのに。

残り少ない 移動時間を 台本 に充てようと
慌てて スーツケースに 手を伸ばす。



(？？？？ 何だ これ？)

見覚えのない 薄っぺらな 紙袋を 見つけた。


袋の 口から 覗けば
何やら 赤い モノが 見える。

手を 突っ込んで 取り出して ･･･


「うっわぁぁっ /////」

「どーしましたｯ？ 藤ヶ谷さんｯ？」

「･･･や ･･･ な、何でも ア リ マ セ ン////」



顔から 火を噴いてる 自分が 分かる。

うっわー ///
やられたｯ// やられたｯ// やられたｯ////

アイツったら･･･


マネの 視界から 隠すように
両手に 押し込めてた 袋の 中身を
こっそり 広げて みる。


真っ赤な ビキニパンツ ////


ご丁寧に メッセージまで 入ってる。


『ウ ワ キ 封じ！！
〜撮影 頑張れよ〜 宏光』



胸の ドキドキが 治まんない。

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