キミが光 ひかりヒカル〜聖海獣編〜

6 桃side 疑問が ページ6

「お疲れですｯ///」

「あー// 桃李クン お疲れ//
また 明日も ヨロシクー」


夜の10時。都内のスタジオ。

署内のシーン。
今日時間 のうちに 撮影が終わった事を
有り難く思いながら 楽屋に 戻る。


「･･･ふぅー ･･･ やっと半分 越えたな･･･」


9月に クランクインしてから 2ヶ月。
全9話のうち、5話まで放映完了している。

ドラマ《サイレーン》。
ミステリーサスペンスの 刑事物。

最初 このタイトル 聞いた時
何かの 神か精霊の 名前だと 思った。
まさか 刑事物とは 想像つかないタイトル。

どうやら 造語らしい。
《サイレン》＝ 警察のイメージ
《セイレーン》＝ 古代ギリシャの海の怪物

(･･･なるほど ･･･ね)


俺のイメージが 原作の主人公に
ピッタリはまってるか どうか･･･
撮影が 半分済んだ 今でも わからない。

ただ、あまり原作に 振り回されず
俺らしい 主人公を 創り上げてやる。

そんな 意気込みで 臨んでる この作品。




「桃李クン、お疲れ様です。
･･･この後、メシ、行きませんか？」

宇宙(そら) に 声を掛けられる。
事務所の後輩だ。

後輩刑事として このドラマに一緒に 出てる。

俺の バーター起用なんて 言われてるけど
最近は 彼自身の人気も 充分ある。
ホント、人懐こくて いい奴なんだ。

バーターなんて 周囲の言葉に
腐って欲しくない。

「よしっ！ 腹減ったもんな。
早く 着替えて パァっと行くか。」



自分の 楽屋が 見えた その先･･･

パタンと ドアが開いて
誰か 出て来た と見れば･･･
ヨロヨロと 壁伝いに 歩いて
いきなり 廊下の床に 吐いている。

あの･･･小さな シルエットは･･･


「･･･ｯ// 北山クンｯ！！」

後から 飛び出してきた 人に
慌てて 楽屋に 連れ戻されていく。

飛び出してきた 人･･･
あれは･･･たぶん 翔クンだろう。



(！！！？)

やっぱり･･･北山サン だ･･･。

俺の 頭の中は 疑問で 溢れた。

彼は 2時間近く前に 先に上がったハズ。
何で 今ごろ 楽屋から 出て来たのか。

何で 廊下で 吐いてたのか。
数時間前まで 一緒のセットにいたけど
そんな 具合が 悪いようには見えなかった。


そして･･･
何で 俺は このところ･･･
こんなに 北山サンの事が 気になるのか･･･


何で。。。

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