キミが光 ひかりヒカル〜聖海獣編〜

24 Y side 待ち侘びて ページ24

返事のない 家に入って
飛び込んだ 寝室。




太輔との 電話で
俺は 大変な 間違いを犯したんだ と。

車を 運転しながら･･･
エレベーターに乗りながら･･･
インターホンを 押しながら･･･

バクバクする 心臓を 抑え切れずに いた。


(俺は ･･･何で みつ 独りで ･･･
薬を 飲ませたりしたんだ･･･馬鹿だ///)


松坂クン達が 来るという驚きに 気を取られ
段取りばかり 優先させて。


俺達が 戻る頃には
みつの 吐き気も 治ってるだろう なんて//

(･･･みつを 独りにする なんて･･･)






飛び込んだ 俺が 目にしたのは ･･･



ベッドの 手前で 床に 倒れてる
小さな身体 ･･･だった。


「みっちゃん！ みっちゃん！」


やっぱり･･･ 独りにするんじゃ なかった。

駆け寄って 抱き起こす。
グプｯ と 口から 吐いたものが 流れ出た。

慌てて 口元に 顔を 近付ける。
(･･･息は ･･･してる)


「みっちゃんｯ！ しっかり！」

軽く 上体を 揺さぶる。


「･･･ふ ･･･ ぅん ･･･ よ こ さ ･･･」


「あ･･･/// みっちゃん ･･･！
･･･ ゴメン/// ･･･俺 ･･･」


ゴメン、ゴメン///
ゴメン、ゴメン///
独りで 怖い思いをさせて ･･･ゴメン///
バカな 俺で ･･･ゴメン///




ようやく ･･･テーブルの上から
ずっと 呼び続けてたんだろう
みつの スマホ･･･に 意識が行く。

(あのコール音は ･･･ 太輔だ)

「･･･も し も･･･」

『ヒロ！ ヒロ？ 宏光っ？
･･･良かったー// 今 下に 着いたから。

･･･エラかったな ･･･独りで。
このまま･･･電話 切らないで。

今 何してんの？ まだ 気持ち悪い？

あ、もう、エレベーター 乗るし。
もうちょっと な？ 』

スピーカーホン に変えて
まだ ぼぅっとしている みつにも 聴かせる。


『ヒロ、上 着いた！ あと 少し！
宏光？ 聞いてる？ もう 帰るから///
今、家の前･･･』


「･･･た い す け ･･･ あ わ て んな」

土色の 顔の 口端が ゆっくり上がる。





ガチャ///

玄関の ドアが 開く。

真っ直ぐ ここへ･･･
迷わず みつへ 向かう 足音。



「ヒロｯ！ ･･･？？！！」


太輔の 視線が ベッドの上から 下に降り･･･
俺の 腕に 上体を預け
床に 横たわる みつを 捉え･･･
大きく 目を開く。


(･･･すまん 太輔 ･･･
やっぱ俺では 役立たず だったわ･･･)

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