キミが光 ひかりヒカル〜聖海獣編〜

21 K side お留守番 ページ21

「･･･んｯ ･･･グｳｯ ･･･ゲｯ」


(･･･まだ ･･･ まだか ･･･)




キングサイズの 真っ黒なベッド。

枕元には 自分で用意した
ティッシュ、タオル そして･･･
吐いたモノを 入れる トレー。

「･･･ﾌｯ ･･･ぅえｯ ･･･ おぇｯ ･･･」


一人では 広過ぎる ベッドで
腹から 湧き上がる 嘔吐感と
ぐるぐる 回る 俺の頭の中に 耐え切れず
身をよじる。

悲しくもないのに 涙が 流れる。

(･･･くっそｯ/// )






突然 ウチに 来る事になった
宇宙クンと 桃李クン。


よこーさんの 提案で ･･･


彼らが 来るまでに 薬を 飲んじまって
スッキリした状態で
一緒に 晩メシ 楽しもうってなった。

でないと、皆んなで ワイワイの途中で
抜け出して ベッド行くのは 不自然だし。

かと言って お開きを 待ってたら
薬の時間が いつになるか 分からない。



桃李クン達には 申し訳ないと思ったけど
よこーさんに 任せて
一緒に 買い出しに 行って貰った。


マネに 送って貰った 俺は･･･

家に着くなり
取り敢えず 冷蔵庫の ヨーグルトを
胃に 流し込んでから 薬を飲む。

(さっさと･･･コレ飲んで ･･･
･･･皆んなで ･･･騒いでやる ･･･)





これまで 薬を飲む時には
必ず･･･太輔がいた。

朝も 昼も ･･･ 晩も。
波打つ 俺の背中を 落ち着くまで ずっと撫り
吐き出す 汚れも 平気で 受けて
後始末まで 全て 太輔が やってくれてた。



この薬を 飲み始めてから 3日目。
まだ 一向に 身体が 慣れる感じは しない。

いずれ 太輔が 傍にいない所でも
薬を 飲まなきゃいけない時が 来るだろう。

俺 独りでも 大丈夫な様に･･･

(･･･だいたい 太輔に 頼り過ぎなんだよな 俺)





(･･･何分 経ったんだろ ･･･)

《･･･ヒロ、もうちょっとの我慢 な？》
《ヒロ、エライな、もう30分は 経ったし》
《顔色 戻ってきたし。･･･大丈夫 ヒロ》





/// ♪ /// ♪ /// ♪

寝室の テーブルに 置きっ放しの鞄から
俺を呼ぶ 太輔の コール音 ･･･

「･･･ふぅｯ ･･･た い ･･･」


太輔が 呼んでる････



身体を にじり寄らせて ベッドの 端へ。
足を 降ろして ゆらりと 立ち上がりかけ･･･

途端 頭の中身が グルンと 一回転 した。


床の硬さを 半身に感じながら
見つめる テーブルの上･･･薄れる意識。



目の前に 見えてる
ほんの 先の テーブルまで
･･･辿り着けないなんてな ･･･

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