キミが光 ひかりヒカル〜聖海獣編〜

17 K side 見に来た 2 ページ17

広い駐車場の 一画に
立てられた テント。

その近くに 停められた マイクロバス。


テントの下では
既に 衣装さんや メイクさん、小道具さん達が
慌しく あちこち 行き交ってる。


現場に 着くと 順に 渡される
その人の 役に合った
小道具の 防弾ベスト、帽子、拳銃など。


ライブとは違う 、
大勢の 演者さん達と それを取り巻く
スタッフさん達の熱さ。
俺は ドラマに 出る度に
背筋が ピシッと 一本通るような
心地よい 緊張感に 気持ちを新たにする。



(･･･好き ･･･だな )




心配して 俺から 離れない 翔と一緒に
船越さんの 座る テントの 一画へ。


「まぁ、座れや。」

どうせ まだ準備に 時間かかるから と
船越さんに 促される。

小道具さんが 持って来てくれた
防弾ベストを 船越さんが 着せようとする。


「や、俺、自分で 着れますってば///」

「まー まー、遠慮するなって。

お嬢ー･･･ もちっと 大きくなれやー///
これじゃ まるで ･･･
《歩く防弾ベスト》じゃねぇか？」

隣で 翔の肩が プルプル 震えてる･･･

(･･･ ･･･船越さん ･･･ ヒドイ)



「これでも 俺、朝 起きた時は･･･」

「はい、はい。 身長180は あるんだろ？」





どういう訳か･･･
船越さんは 俺を 気に掛けてくれてる。


前に バラエティで 初めて 一緒になった時。
収録の 合間、ずっと 演技について
熱く 語ってくれた 船越さん。

かなり 俺と 歳が 離れてるのに
船越さんの話は 面白くて 飽きなくて･･･

それ以来 スタジオで すれ違ったりすれば
必ずと言ってイイ程 声 掛けてくれる。


今回の ドラマで 一緒だと 聞いた時
どんだけ 心強かったか。



で、俺が こんな ナマイキな 冗談言えるのも
船越さんの 人柄のお陰なワケで。

何故か 俺の 体調の事まで
何となく 知ってる風で･･･。


(もしかして･･･これも 社長絡み･･･
･･･だったりして ･･･ ･･･しか あり得ないか)


「ほれ、まだ 座っとけって。
･･･顔 ･･･青いぞ。」

小声で 俺の顔を 覗き込む。



でも･･･主役の 桃李クンを 差し置いて
船越さんと 勝手に盛り上がってんのは･･･
マズイ。


そう思って 辺りを 見回せば･･･


背後から 苦しそうな 声が 聞こえて
振り返ると 口を押さえて
笑いを 必死で堪えてる 桃李クン。


「･･･ｯ/// クｯ クｯ
《歩く》･･･《防弾ベスト》･･･ｯ/// 」




(アナタ ･･･まだ ソコ 笑ってらっしゃる//)

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