キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

8 F side 提案 2 ページ8

楽屋の片隅。


上半身 裸になって･･･
音声さんに 腰にモニターを付けて貰う 宏光。

筋肉が落ち 細くなってしまった背中に
イヤホンの コードを這わす･･･。

「音の調整は スタジオ入ってでないと･･･」

「りょーかい デス」


別に 隠れてやるような事じゃない。
歌を唄う時には 皆んながやる事だし。


ただ･･･今は･･･
今だけは･･･
一人 イヤモニをセットして貰う宏光を
見て欲しくなかった･･･。
たとえ メンバーでも･･･。


裸になる事で･･･
昨夜の点滴の跡の 絆創膏が 晒される。

最後のドームから
もう10日近く経つというのに･･･
まだ左腕の針のアザも消えてない。



(痛々し過ぎる･･･)



そんな俺の気持ちが 判ってか･･･

「差し入れあるからさー･･･
･･･今のうちに お腹入れとく？」

渉が メンバーに声を掛ける。
わらわらとテーブル周りに集まるメンバー。

「今日の差し入れ、何なのー♪」

紙袋から出てきたのは《肉巻おにぎり》。
また 手間なモノ作ったな。

「うわｯ/// うまそー♡」

ニカが 一番に飛びつく。

「あ、みつの分 残しといてよっ!!」

渉が 皆に注意する･･･。
それだって･･･ポーズなんだよな。
皆が 宏光の分まで 食べるハズないって
分かってるクセに･･･。




「ちょっと 動かないで下さいね･･･」

楽屋の隅での 作業も進む･･･。

左耳しか使わないので
右耳は 背中のコードと一緒に
貼り付けて 固定してしまう。

出来るなら 見えない様に･･･
首の真後ろから 髪の中を通して
左耳まで コードを這わす。

小さく目立たないデザインの イヤホン。
髪の毛を被せてしまえば･･･
(･･わからない･･･かも!!)

「あんまり 激しく首振ったりしたら
･･･コード止めてるテープ 剥がれますけど
･･･わかんなくないですか？」

衣装のシャツを 羽織りながら

「ホントだ!! これなら わかんないかも//」

不安そうだった顔が パアっと明るくなり

「おぃｯ!! にかいどー//
俺の分の差し入れ、 残しとけよーっ//」

なんて･･･ﾌﾌ･･･ 良かった･･･。

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