キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

5 K side 乾き 1 ページ5

(･･･み ず ･･･)

「･･･ ･･･ｶｯ//」

口の中が カラカラで･･･目が覚めた。

「･･･た い ･･･」

キングサイズの 真っ黒な皮張りのベッド。
俺の横の 温もりは 既になく
温もりの主は どうやら･･･
キッチンにいるようだ。

(･･･みず･･･飲みて･･･)

一旦 身体の向きを横にして
右肘を支えに 上体を そろそろ起こす。
全身の脱力感が 酷く
自分の身体なのに 重くて仕方が無い。

この怠さは･･･
熱が 出た後のヤツだな。

ベッドから足を降ろし 腰掛ける。
両手を腰の 両脇に降ろし ベッドの端を持って
揺れる 身体を支える。
左腕に 白い絆創膏を確認する。

(･･･さのっち･･･)

昨日の夜、太輔と楽屋を出て
駐車場で待つ さのっちのバンに
乗ったとこまでは･･･覚えてる。

「･･･たい ･･･ みず･･･」

気合いを入れて 立ち上がり
寝室のドアへと 一歩 足を出した途端

ドサッ///

踏ん張りが効かずに バランスを崩し
思いっ切り 派手に転んだ。



「！！ ヒロｯ？」

壁の向こうで 俺を呼ぶ声。
パタパタと走ってくる足音が 近くなり

バタンｯ///

「ヒロｯ!! 」

床に転がる 俺を抱き起こして

「どしたの!! ･･･どっかぶつけてない？」

「･･･たい･･･みず･･･」

太輔は 瞬間 考えて･･･
俺を抱き上げると
リビングにある 若草色のソファに降ろした。

「ごめんね、気付かなくて。
･･･喉 乾いてたんだ。」

冷蔵庫のミネラルウォーターをコップに注ぎ
俺の手に持たせる。

「･･･少しずつ ゆっくりね･･･」

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