キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

4 F side 再始動 3 ページ4

舞台監督さんや
他のスタッフさん達の
優しさが ･･･有難かった･･･。

ここまで一緒に ライブが出来たのも
宏光の体調を理解し
常に心配してくれた 皆のお陰だ。


･･･にしても･･･

渉に話しといて良かった。

楽屋を出てから みるみる 身体の力が抜けて
熱の塊となった 宏光を脇に抱えながら
渉の 観察眼はさすがだと 感心する。

楽屋で 渉の差し入れを食べてる時、
もしかすると 抜糸のせいで
宏光が 熱を出すかも･･･と話しておいた。

俺、渉の横に 座ってたけど
正直 気付けなかった。



駐車場への ドアをくぐる。
目の前に 待機していた･･･佐野先生のバン。

「･･･すみません･･･行きも帰りも･･･」

後部座席に 乗り込んで
宏光の頭を膝に乗せ 横にならせる。熱い。

こっちの都合で 朝晩関係なく連絡し、
挙句の果てに タクシー代わりみたいに
頼ってしまって･･･ホント申し訳ない。

「いえいえ、丁度 仕事終わりでしたから。

やっぱりね･･･熱 出すんじゃないかと
心配してたんですよ。
連絡貰って 却って安心しました･･･ﾌﾌ」

あぁ･･･いつもの 先生に安心を貰う。

「･･･かなり辛そうですが･･･
北山さん、も少し我慢して下さいね。
お宅まで 帰っちゃいましょう。」

さっきまで スタジオで
監督と熱く意見を交わしてたとは
思えない程の 変わり様･･･

よほど我慢してたんだろうか。

そうだよな。
朝から 元気で 久しぶりに調子良かったけど
今朝は まだ京都にいたんだから。
疲れてない ハズがない。

昨日だって･･･嵯峨根さんトコで
具合悪くて 休んでたじゃないか。


「･･･だい じょ･･･ぶ･･･ﾊｧ」


宏光の頭を支える 俺の 太ももが熱い。
こんな しょっちゅう･･･大丈夫なの？

京都へ行って･･･
宏光の心の状態は かなり良くなったと思う。
無理して 行って良かったとも･･･思う。
でも 今度は･･･身体がついて来てない。


「･･･藤ヶ谷さん･･･大丈夫。
北山さん、随分 前向きに 強い気持ちに
なられたみたいですし･･･
これで 体調が戻れば･･･大丈夫ですよ」


そう。･･･体調が 戻れば･･･の話なんだ。

あと1ヶ月で 体調が戻れば･･･
安心して ライブを迎えられる。

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