キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

25 F side 文字 4 ページ26

泣き腫らした目を
冷たいタオルで
冷やしながら･･･


口いっぱいに ハンバーグを頬張る
目の前の･･･可愛い人･･･。


独り抱えこんでいた
《見えない》事に対する 恐怖を
涙と慟哭で 吐き出し 晒し出す事で･･･
取り戻した 宏光の 安静。

(取り返しのつかない事になる前に
気付けて･･･良かった･･･)


ハンバーグの横には･･･
何の工夫もない 真っ白な おにぎり。

例の 茶碗が直るまでは
絶対に 茶碗を使わない！と言い切る
宏光の 可愛いワガママに付き合う
･･･俺も たいがいだよな。

でも そんな簡単な事で
宏光の 心に寄り添えるなら･･･
俺は 喜んで おにぎり作るよ･･･いつでも。

「ほら･･･これ、太輔のぶんな」

お皿に 残された
きっちり半分の ハンバーグ。

(もうｯ･･･ヤられたｯ//)

キュンと撃たれた事は 教えてやらない。

「だーいーじょーぶっ//
ヒロ、しっかり食べなきゃ。
大きくなんないじゃん。
俺、今日はパンの気分だから･･･」

自分のお皿に乗る トーストを
指差しながら 食べるよう促す。

再び リスみたいな頬になる
宏光に 安心しながら･･･
片手で スマホをいじる。

(さっきのLINE 誰だったんだろ)


渉からだった。。。


『今日 撮影終わったら
久しぶりに パーチーしない？』


(パーチー･･･LINEでも噛むんだ･･･)

既読が6つ･･･
誰も 返事してない。
･･･俺達の返事待ちってコトか。

「ヒロ、さっきのLINEさ･･･
渉が 久しぶりにパァーって集まるかって。
今夜だけど･･･大丈夫そう？」

頬袋を パンパンに膨らしたまま
ブンブンと頭を縦に振る 宏光。
･･･決まりだ。


『りょ。宏光も喜んでる。
ウチで？ 渉んとこで？』

(送信)･･･ ･･･と。


大して待たずに

ﾋﾟｺﾝ///♪
ﾋﾟｺﾝ///♪
ﾋﾟｺﾝ///♪

煩いほどに 知らせてくる通知音。
宏光が おにぎり片手に こっちを見てくる。

『やたー!! パーチー!! みつとこ行くー♪
千賀も 行きたいって』
『キタミツ達の 新居 探索する』

『じゃ そゆことで。太輔ヨロシク
詳しくは 会ってから』


画面から目を離すと
返事を待ちきれない 宏光の黒丸の瞳。

「･･･ﾌﾌ// 皆 ウチ来たいってさ。」

「そかー!! そっかー♪
んじゃ、部屋 片付けなきゃな」


良かった･･･ナイスタイミングのお誘い。
渉、サンキューだ。

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