キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

22 F side 文字 1 ページ23

(･･･ふぅ･･･)

朝から･･･
ハンバーグを焼いてる 俺･･･


部屋に充満する 肉にくしい匂い･･･

それを うっとりした面持ちで
ソファに埋もれながら 待ち侘びてる
･･･俺の 小さい･･･恋人･･･。

。。。。。。。。。
今朝は 珍しく俺より先に
目を覚ました 宏光。
隣で モゾモゾ動きだした 小さな塊に
起こされた。
(･･･ウソ、まだ6時じゃん)

今日の仕事は 昼からの 雑誌撮影だけ。
昨日の事もある･･･。
なるべく 朝はゆっくり･･･と思ってたのに。

まさか、また 吐きそうになったかと
顔を 覗き込めば･･･
にぱぁ と笑う･･･笑ってる･･･。

「あ、起こした？」

「どしたの。大丈夫？
･･･珍しいじゃん 早起きなんて。」

「どーにも こーにも･･･腹減って･･･へへ//」

(！？ 何なの// この人は･･･)

俺の心配 返して欲しいよ･･･。

って･･･そうだよね。
昨日 胃の中 空っぽにする程 吐いて
お粥しか 食べてないんだもんね。

。。。。。。。。。

きっちり覚えてた
渉が冷凍してくれてる 宏光のハンバーグ。

フライパンの上で
美味しそうな匂いを放つ 宏光のハンバーグ。

「まだかなー♪ 俺の ハンバーグ」

もうッ///
いちいち 言わなくても
俺 食べたりしないから･･･
宏光･･････可愛い過ぎ//



ﾋﾟｺﾝ///♪

テーブルの上から LINEの通知音。
二人のスマホが 同時に鳴ったから
きっとグループLINEだ。

「ヒロ、ちょっと見て。誰から？」

フライパンから 手を離さず 宏光に頼む。

ノロノロと スマホを手に取り
画面をタップする様子を視界に入れつつ
ハンバーグを ひっくり返す。

「･･･えーと･･･よこーさん･･･かな」

もごもご 小声で 聞き取れない。

「え？ 渉？ 何だって？」

自分のスマホを 上げたり下げたり･･･
ちゃんと見ようとしてない。

「なに？ なんて言ってんのｯ？」

少しイラついた口調で 言い放ってすぐに
･･･ハッとした。

(･･･見えない･･･？ 見えて･･･ないんだ･･･)




まだ生焼けのハンバーグ･･･
IHコンロの スイッチを切る。

ソファに背中を預け･･･
膝を折り曲げ 小さく座る人･･･。

その横に･･･並んで座る。
腕を回した肩が 小さく震えてた。

「･･･ごめん･･･気付いてあげらんなくて･･･」

23 K side 文字 2→←ちょいブレイク(作者より)

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