キミが光 ひかりヒカル〜尾張編〜

3 K side 再始動 2 ページ3

楽屋から スタジオへ
移動する。

演出の監督さん、振付の先生、衣装チーフ。
初めての 打ち合わせっても
すでに3公演こなしてきた顔ぶれ。

今までの 反省点から始まって
今度の会場に合わせた 演出に改良する程度。

それでも、俺達グループが一番輝ける
ライブという場所を 新たに与えてくれた事に
きっちり感謝して 誠意を見せなきゃな。

いつでも 一番最高のパフォーマンスを、だ。
･･･って･･･
俺が 一番 足引っ張ってんだけど･･･。


「じゃ、北山くん、ステージ展開は
･･･こんな感じで･･･いけるかな？」

「･･･はい。･･･多分。
実際にやってみないと 何とも･･･」

俺の右横に座る 演出監督が テーブルに示す
会場のステージ構成図。
･･･細かい説明の文字が･･･読めない。
近づければ見えるって訳でも･･･ない。

寝起きには ちょくちょくなるけど･･･
打ち合わせが始まってから既に 2時間。
もう夜じゃん。
この時間帯って･･･今までなかったのに。


「あのー、これ ウチ持って帰って
再検討しても イイですか？」

テーブルの上に差し出された構成図に
手を伸ばす。

「あ、それ、俺も欲しい。」

よこーさんの長い手が 正面から伸びてきて
紙の上で重なる。
チラリと 俺を見る･･･何だよ、今日は。



「やっぱそうだ。
みっちゃん･･･熱あるじゃない。」

テーブル周りが ザワついた。

「うぇ？ 俺、熱なんて･･･」

俺の左に座ってた ニカの手が
額に伸びて･･･

「うわ!! みつｯ/// 熱いじゃん!!」


「･･･もう 必要な事は 詰めたから
今日は･･･そろそろ終わろ･･･」

諦めて 打ち合わせを締めようとする
監督の言葉を遮って

「や、俺、大丈夫ですし･･･」

すれば･･･監督は ニコリと笑いながら

「北山くん、ここ頑張るトコじゃないから。
･･･大丈夫、今日はこれで充分。」

よこーさんにも 他のメンバーにも･･･
監督の言葉に 甘えとけって諭されて
呆気なく 打ち合わせが終わった。。

やっぱ 俺が 足引っ張ってるわ･･･。


『抜糸でも 熱が出る方』･･･ナルホド 俺ね。

文字が見えなかった理由が何となく分かり
妙に納得して 安心してる。



「みっちゃん、早く 寝るんだよ。」

「キタミツ、また明日ねー」

皆に 追い立てられる様に･･･
太輔に脇を支えられながら 楽屋を出た。

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