死んだら苗字が北になってました。【HQ】

16話 ページ16

『おじゃましまーす！』

治｢A、こっちやで。｣

治は侑がいる部屋まで案内してくれた。



ｶﾞﾁｬ

『侑くん、だいじょぶ？』


侑｢あ、A。北さんも。よく来てくれはりました、、、。｣


やっぱり予想通りだった。

目の前の侑はただの風邪とは思えないほどやつれていた。


北｢治、何したん？｣

北さんも侑の状態に疑問を持ったのか治にきいた。


治｢熱あるんで冷房付けたり、飯食ったら治るかな思てハンバーグ食わせました。｣


まさかの想像以上。

こっちまで具合悪くなりそう。


『治くん、病人ひやしたり重いもん食べさせるんはだめやで。』

治｢え、そうなん？｣


北｢せやで。侑、腹減っとるか？お粥とゼリーどっちがええ？｣

侑｢、、、お粥で。｣

北｢わかった。A、治、手伝ってくれるか？｣


『はーい！ほら治くんいくで！』

治｢お、おん。｣





私たちはキッチンに3人並んでお粥を作り始めた。

北さんの指示に従いながら私と治で手伝う。



治は料理をしたことがないらしい。

まさかおにぎり宮店主の初料理に立ち会えるとは！



てなわけでお粥完成。

北｢A、俺たちは食器の片付けするからこれ侑に渡してきてくれるか？｣

私はお粥配達係に任命された。


『はーい！』

北｢熱いから気をつけるんやで。｣



ｶﾞﾁｬ

『侑くーん。お粥持ってきたでー』


侑｢A。｣

私に気づいて起き上がろうとする侑に寝ててええよと言う。


うーん。

でも食べれないよなあ。


！！！


『侑くん、わたしがあーんしたげる。』

侑にあーんしたらそれはすなわち侑の嫁ってこと！！！(違う。)

この千載一遇のチャンス逃せない！


侑｢ほんま？頼むわ。｣

力なくそういう侑を見ているとなんだか申し訳なくなってきた。


侑、入籍は元気になってからでもいいよ。

嫁になるのは諦めないAだった。

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