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融解メランコリア/白.石 ページ7

心がモヤモヤした。




そりゃ、あれだけ整った顔をしていれば、自然と人は寄ってくる。それに加え、テニスも上手くて人も良いとなれば、問題は毒草マニアであるということくらいだ。
ただ、私自身──、彼のどこが好きなのかと問われても、明確な答えは出せない。そもそもその質問が間違っているだろう、と跳ね除けてしまう。









「A?」


最悪のタイミングだった。彼の憎たらしいまでに綺麗な髪が揺れて、甘いシャンプーの香りが漂う。そして私は皮肉なほど、その匂いが好きだった。




「白石……」
「丁度よかったわ。今お前のクラス行くとこやった」
「…………そうなんや」

ふい、と視線を逸らしてしまったのは、しょうもない噂に何度も踊らされている自分が嫌になったからで。幼い自分が、優しい白石の邪魔になっている気がして。どうしようもなくて、悔しくて。









「……A」
「…………また、女の子に告られたんやって?」
「……え、」

わかっている。彼は何も悪くないのに。……私は、そうして責める資格すらないのに。そんな顔をさせたいんじゃない。でも、不安で、不安で、いてもたってもいられなくて。







「それ、誰から聞いて」
「誰でもええやん。……ホント、ええご身分やな、自分」

無意識のうちに出る、冷たい言葉。まるで自分の口が自分の口じゃないみたいだ、なんて馬鹿なことを考えた。
困ったように大きな瞳が揺らいだあと、彼は長い睫毛に影を落とし、口を閉じた。怒らせてしまったかな、なんて、今更弱気になるのは可笑しいか。







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中途半端だけど許して

幸福追求より大切な/桃.城→←▲



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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時

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