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「そんじゃ行くぜよ」
「……ちょっと待って」
気づいたら引き留めていた。少し驚いた顔をした彼は新鮮だ。しかし、すぐにいつもの挑発的な笑みに戻った。
「あのさ、仁王」
「どうした?腹でも……」
「なんで私と付き合ったの?」
笑顔のまま、彼が固まったような気がした。
何となく避けてきた質問。でも、この機会に訊かなければならないと感じたのだ。彼の真意を知りたい。
目を逸らさない。気づいたら教室から人が居なくなっていた。空気を読まれたのか、偶然か──。
彼の裾を掴む指が震えた。怖い。
ぎゅ、と固く目を閉じた。何も見れなかった。
「……お前さんは、逆になんで俺と付き合ってる?」
「えっ」
目を開くと、少し困ったような笑顔の彼と目が合った。シンと静まり返った教室の中が、いつもと全く違うように感じる。鼓動が駆け出す。
「…………仁王が、告白してきたから」
「お前さんは、告白してきたらどんな奴でも付き合うんか」
「違う!…………違うよ」
何とかしたくて、彼の制服の襟を引き寄せた。──そのまま、一瞬だけ唇を合わせる。
「……A、」
「…………好き」
その時、ようやく理解した。私が冗談めいた仁王の告白に首を縦に振った理由を。
彼の顔は少し赤く見える。でも、きっと私の方が余裕のない顔をしている。
「……お前さんは、本当に」
私は愛しそうに私の頬に手を伸ばす彼に、また瞳を閉じた。
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高校生だとでも思ってください…
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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時