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君の特別な存在で在りたい/跡.部 ページ23

「おい、起きろよ」






うとうとと微睡んでいたら、聞きなれた声が耳元に落ちた。重たくなった瞼を無理矢理こじ開ける。眩しくて、また反射的に目を閉じようとした、が、それはできなかった。






「あ、跡部っ!?……いたっ!」
「ふ、何やってんだお前……彼氏様をおいてお昼寝か?」


もうお昼寝なんていう時間じゃないけれど、そんなツッコミをする余裕はない。寝顔を見られた恥ずかしさで顔が熱くなる。眠気も完全に覚めた。
部長として他の部員が帰ったあとにこの広いテニスコートを点検するのも仕事らしい。マネージャーの私は、片付けを終え、部室のベンチに座って待っていたのだが、気が付かぬうちに眠り込んでしまっていたようだ。







「着替えもしてねぇようだが」
「……気づいたら寝てた、ごめん。跡部のこと待ってようと思ったんだけど」
「別にそんなこと謝って欲しい訳じゃねぇよ。…………風邪でも引いたらどうしやがる」
「……わ、」



さらり、と彼の髪が揺れて、甘い香りが鼻腔を擽った。そして、その匂いに包み込まれる。充満する、フローラルの香り、彼の体温。練習後だからか、温かい。また眠くなりそうだった。







「跡部、いい匂いする……」
「ハッ、当たり前だろ。……ま、部活の後だから多少は汗くせぇかもしれねぇがな」


しかし彼からは、汗の匂いはしなかった。ただ温かくて、守られているようで、安心する。それだけだ。

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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時

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