mission77 ページ41
youside
コンコン
凛月「入っていいよー。」
ガチャ
A「お邪魔します…」
泉さんが作ってくれた夕食を食べた後、少し警戒しつつ凛月くんの部屋に入る。
凛月くんの部屋はロココ風の家具で統一されており、私の部屋とは少し違った雰囲気で新鮮味を感じる。
凛月「待ってたよ。今お茶入れるから適当に座りなよ。」
そう言われたので私は大人しくミニテーブルの傍にある椅子に腰掛けると、お茶を入れてくれた凛月くんが備え付けのクッキーと一緒にテーブルに置いてくれた。
A「あ、ありがとう。」
凛月「別に〜。どうせ、俺が飲むやつのついでだし。」
そう言って凛月くんも私の向かいの椅子に腰掛け、紅茶を啜る。
A「…」
凛月「…はぁ、その紅茶に、毒でも入ってるんじゃないかって思ってるでしょ。」
A「え!?どうして分かったの…」
確かに考えていた。気に入らない私を消す為に紅茶に毒を持ったのではないかと。
凛月「あんた、顔強ばってたから。まぁ、仕方ないけどね、俺、あんたの事殺す発言したしね。」
まぁ、確かに言われたけど…
凛月「でもその紅茶に毒なんて入れてない。これだけは約束できるよ。俺、約束は必ず守るから。まぁ、それでも信用出来ないなら飲まなくても…」
A「い、いえ!いただきます!!」
あそこまで言われて飲まない訳にはいかない。
私は慌てて紅茶を啜った。
A「あ、美味しい…」
凛月「その紅茶、俺が好きなやつなんだよね。後味が爽やかで飽きない。クッキーにも合うんだよね。」
A「そうなんだね。」
そんなことを言われたら、クッキーも食べたくなってしまう。
私は備え付けのクッキーを1つ口に入れた。
A「あ、クッキーも美味しい。」
凛月「…」
何故か凛月くんは私の顔をじっと見つめていた。
A「…凛月くん?」
凛月「ねぇ、あんたってさ、家族のことも分からないんだよね。」
A「え…うん。そうだけど。」
そんなこと聞いてどうしたの?
そう聞きたかったが、聞けなかった。
だって…
A「え…凛月くん…」
凛月「少しだけ…あんたに話してあげるよ、俺の過去の話。」
凛月くんの瞳には…涙が浮かんでたから。
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作者名:リューゲ | 作成日時:2022年8月1日 20時