5人の怪盗と生きる宝石 第1幕 【あんスタ】

mission23 ページ28

瀬名泉side




時刻は夜の八時を回っていた。



俺とかさくんはこっそりと姫崎邸に忍び込む。


(姫崎邸…たしか、この国の大臣である姫宮家の分家だったはず。政治の手腕が優れている本家の姫宮家と比べて姫崎は民衆からも貴族社会からもあまり良くは思われていない。)



くまくんにもらって1時間で頭に叩き込んだ資料の内容を思い出す。



(姫崎当主は女癖が悪く、出会いを求めて3日に1回はパーティを開いている。…で、今日もパーティの日ってことね。)


予告状を出されたなら普通はパーティを中止にすると思うが、プライドの高い当主はそうしなかったのだろう。

なんなら、俺達Knightsを貴族共の目の前で引っ捕まえようとでも思っているのかもしれない。

(そんなこと出来るわけないのにねぇ。舐められたもんだよ。)


そこらへんの貴族ごときに捕まえられるわけが無い。だって俺らは天下の怪盗Knightsだよ？
…って俺は思ってるんだけどさぁ……


瀬名ﾎﾞｿ｢ちょっとぉ、かさくん、表情硬すぎなんだけどぉ！？｣


朱桜ﾎﾞｿ｢！す、すみません。｣



瀬名ﾎﾞｿ｢ったく、しっかりしてよねえ？表情とか行動がぎこちないと周りから怪しまれるんだからあくまで自然を装いなよ。｣


俺達は警備員の格好をして少しずつお目当ての宝石がある部屋へと近づいていた。



周りには煌びやかなドレスやスーツで装った、俺のような人間が普通ならお目にかかることも出来ない貴族共でごったがえしている。


(香水臭いんだけど…はぁ、むかつく。俺みたいなのは地面を這いつくばって生きるのに必死だっていうのに。)



瀬名ﾎﾞｿ｢そろそろ行こうか、かさくん。｣


朱桜ﾎﾞｿ｢は、はい！｣



(完全に緊張してるんだけどぉ…？大丈夫なの…!?)








数分後、俺は嫌な予感ほどよく当たるという事実をしかと思い知ることになる。









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