百二話 ページ10
鉄渋｢当たりだよ、鋼水A。｣
咄嗟に構えると、キィィン！と音がし、攻撃を受けている。
ニヤニヤとした女の顔が近くにあって気持ち悪い。
踏み込んで押し返す。
『鋼の呼吸 壱ノ型━━━鋼研ぎ』
鉄渋｢鋼の呼吸 壱ノ型━━━鋼研ぎ｣
全く同じ型を同時に出す。
滑らかな動きで打ち合う。
少しでも間違えたらすぐ斬られる。
鉄渋｢甘いよ！｣
刀を弾かれる。
斬られる、と思い直ぐに後ろに跳ぶように地面を蹴る。
間に合わない…！
刀は私の隊服を掠った。
血がダラダラと流れてくる。
止血するように意識を持っていこうとするが切られた範囲が広すぎる。
…とりあえずやれるだけやるしかない。
鉄渋｢いいのかい、そんな呑気にしてて｣
ヒュン、と刀が振られたのを避ける。
息が上がる。
仕方ない、と思い垂れている血を手に沢山つけ、鉄渋に飛ばす。
鉄渋｢血がどうたっ………て…｣
飛んだ血の部分が少し腐り始めている。
今のうちに少しでも攻撃を…！
『全集中・鋼の呼吸 陸ノ型━━━鋼鳴らし！！』
これなら動きが鈍くなるはず…！
腕や足を切っていく。
しかし、すぐに生えてきてしまう。
……ここだ！と首に刀をかけると、思い切り傷の上を蹴られる。
木の幹にぶつかって背骨やら頭やらが痛い。
息をしながら刀を持ち直す。
刀一本じゃ戦いにくいな…！
鉄渋｢これからがいいとこだって言うのに…邪魔者かい…。
興が冷めたよ。次会うときはもっとマトモになることだね。｣
『まて！』
鉄渋｢これでもそんなことが言えるのかい。｣
鉄渋が森へ消えていくと下弦に近い強さのものが現れた。
自我がなく、ここまで私に執着するのか分からない様なものだった。
とにかく、止まっていられない。
『鋼の呼吸 捌ノ型━━━炎刀』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エアー | 作成日時：2020年5月22日 14時
