百九話 ページ17
目を覚ますと、窓から橙色の光が差し込んでいた。
私いつの間に寝てしまったのだろうか…。
腕を起こそうとすると何かが乗っていることに気づいた。
頭を少しあげると、炭治郎が寝ていた。
善逸や伊之助はいないようで、部屋は静かだった。
反対側の腕で炭治郎の頭を撫でる。
炭治郎の顔をゆっくり見れて嬉しい。
『炭治郎。』
無意識に名前を呼んでいたらしく、驚いて炭治郎を見るとまだ寝ていた。
よかった…。
炭治郎と顔合わせづらかったのに、実際見るととても安心してしまった。
炭治郎といると私は強くなった気がするし、何も怖くなくなる。安心してしまう。
そんな優しいところがずるい。
炭「ん……A?」
今思ってたこともあって急に起きた炭治郎に驚いて顔が熱くなる。
『お、おはよう…。』
炭「起きたか、良かった。」
痛いくらいだった優しいものが向けられる。
今の私は、この優しさが心地いいみたいだ。
『そんなに、優しいものを向けないで欲しい。』
炭「へっ?!
それの理由は言っただろう…。」
炭治郎が少し顔を赤くする。
その反応がよくわからなくて見つめてしまう。
炭「Aを、女の子としてみてる。」
『それは、炭治郎の優しさじゃないの?』
炭「違う。」
炭治郎の耳飾りがカランと音を立てる。
その音がやけに響いた気がして、鼓動がはやくなる。
炭「俺を意識して欲しい。」
また、意識して欲しいという言葉。
よくわからない。
炭治郎が私の鎖骨あたりを指さす。
そこって、前に炭治郎がなにかしていた所。
私はよく見てなくて何があるのか知らない。
炭「ここに痕をつけた意味を、考えて欲しい。」
それだけ言うと炭治郎は出ていってしまった。
後で、しのぶさんに聞いてみよう。
私には分からないことが多すぎる。
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作者名:エアー | 作成日時:2020年5月22日 14時