【歌い手】ヒ ト メ ボ レ。 【浦島坂田船】

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「お姉さん？家近いん？」

「まぁな〜こっから徒歩10分くらいですかね」


首をかしげる志麻くんを横目に姉さん、と書かれたボタンを押す。

ワンコールで聞き慣れた久しぶりの声がはい、と耳に響いた。


「もしもし、姉さん？」

『ん？うん』

「…今から4人いってもええですか」

『4人？え、いいけど…ホテル予約忘れた？』

「うん」

『なるほど、分かった待ってるね』


ブツリと切れる電話。相変わらず優しい。



「お姉さんなんてー？」

「ええって。んじゃあ行きましょかー」


少し遠くの方で暗い顔をしてたうらたんにも声をかけて、坂田は腹パンで叩き起こして4人で歩き始めた。

「センラのお姉さん美人〜？」

「え、まってぇどこ行くん…？」

「待って、ノリで歩いてるけどいいんだよね？迷惑じゃ無いかなお姉さん」

大丈夫ですよ、と何回言ってもでも…と安心しない様子のうらたん。
そしてその後ろを歩く美人を期待してるらしい志麻くんと状況を理解してない坂田。

なんやこのカオスな状況。

騒がしい3人を無視しつつ空をぼんやり眺めながら歩いていたらあっという間に到着。


「あ、着きましたよ。ここです」

「え、ひろっ」
「美人かもん」
「ここどこ…」


それぞれ目を輝かせてたり、心配そうだったり。
そんな3人を引き連れて、姉さんきたよー、とピンポンを押した。

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