思い出 ページ38
白で満たされた病室内を、紫の光が塗り替えていく。
強風に吹かれてたなびく旗のように踊る雲の炎が、透明のリングに注がれていく。
(きれい)
やはり、この炎には惹かれてしまう。
邪なものを跳ね除けるような強い揺らめきが、私の目の前に溢れている。
私は身近に感じる暖かさに、思わず目を伏せた。
蘇るのは、この世界での奇跡の日々。
『おなまえ、なんていうの？』
『恭弥くんがいるなら、例えそこが地獄だろうと笑ってられる気がします』
『恭弥くん、私、ずっとあなたの側にいますね！』
『こちら側って、何？』
『何なの、もう。恭弥くんなんか……』
『綱吉くんはいつも、誰かのために駆けずり回ってるよね』
『ごめんね、ハルちゃんに心配かけたし、京子ちゃんを危険な目に合わせちゃった』
『10年経っても何年経っても、私が恭弥くんのことが大好きだっていうのは変わらないんですから』
『恭弥くんに、会いたいな』
『私は置いていかれないように、いつでも必死なんですが』
『私は背中に隠されて彼らの後ろを歩くより、隣に立って、一緒に歩いていきたい』
『私がボンゴレのみんなと一緒にいられない未来の方が、多かったのかもしれません』
『この時代の恭弥くんに、返してもらえませんか？』
『恭弥くん、言っときますけど今日はデートなんですからね！』
『私、あんたに似ず、優しくないね』
『私はみんなと一緒にいたいから！』
『好きです、恭弥くん』
『大好きな人たちがたくさんいる、大好きな世界です』
『守ってくれて、ありがとう』
『信じてますし、大好きですよ、これからもずっと』
本当に色々なことがあった。
忘れたくとも忘れられない、かけがえのない大切な思い出。
私は泣き出しそうになるのを何とか堪えて、笑う。
「恭弥くん」
「愛してます」
部屋にあふれていた炎が収束していく。
透明だったリングは、紫の炎を蓄えて、綺麗な紫に染まっていた。
そのリングを私の指にはめて、恭弥くんが私の体を引き寄せる。
「早く帰ってきなよ」
「そうすれば、君の望む言葉をあげる」
恭弥くんの端正な顔が目の前に近づいて、私たちは触れるだけのキスをした。
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しおぽん - くっそぅ！お幸せに一生爆発しててくれぃ！！ (2022年2月3日 22時) (
レス) @page45 id: 6db5cc4293 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 最高です雲雀さんお幸せに！！！！！！！ (2021年12月28日 22時) (レス) id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 神作であることに間違いない。最の高。ごちそうさまでした！！！！ (2021年5月29日 16時) (レス) id: db51d70f74 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - 連載当初から好きで、今も時折見に来てしまいます。これから先、何年経ってもきっと見に来てしまうと思います。この作品に勇気をもらったこともありました。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年1月13日 1時) (レス) id: 8fc5acefd4 (このIDを非表示/違反報告)
たなきと(プロフ) - 久しぶりにREBORNの小説を読みたくなって、適当に漁っていたら素晴らしい作品を見つけてしまった・・・他の作品とか作っていたら読みたいと思ったのですがアカウント消してしまったのか出てこないのが寂しかったです・・・素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2020年7月26日 22時) (レス) id: 8ad013a52b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年7月23日 19時
