疑問 ページ10
「雲雀さんに、顔色ひとつ変えずに『興味ない』って言われちゃったんだと」
ため息混じりに言った男子生徒を見て、私は思わず苦い顔をした。
想像に難くない。
むしろ私も似たような言葉を言われたことがあった気が……
恭弥くんが他の人のことを好きにならなくて良かったと思う反面、お姉さんに同情する気持ちもある。
私はやっとの思いで「恭弥くんに悪気はなかったと思うよ」とだけ返した。
男子生徒は苦笑すると、話を再開する。
「姉貴、泣いて帰って来てさ。
さっきも言ったけど、姉貴は結構クールだから、泣いてるところなんて久々に見たんだ。
だから泣かせた奴の顔を拝んでやろうと思って」
「う、うん」
「んで雲雀さんを探し当てた時に、一緒に見かけたのが旗本さんってわけ」
「ああ、そこで繋がるんだね」
私が何故か感心して手を打つと、男子生徒はくたりと机にうつ伏せになる。
「同じクラスだったし、姉貴を泣かせた奴と親しいみたいだったから、何となく目で追うようになって。
そしたらいつの間にか好きになってました」
「おお……あ、ありがとう」
改めて言われると、気持ちは揺らがないものの照れはする。
私は気恥ずかしさから目を泳がせつつ、礼を言った。
男子生徒はちらりと私をうかがって、「困らせてごめん」と眉を下げる。
「でもさ、雲雀さんって誰にでもドライな対応するよな」
「だよねえ、でもそんなところも格好良いよ！」
男子生徒は「それ俺の前で言っちゃう？」と戯けながら、ふと思いついたように尋ねた。
「旗本さん、どうやって雲雀さんと仲良くなったんだ？」
私は「え？」とポカンとした表情を浮かべる。
「雲雀さんって他人と親しくなることはほとんどないだろ？
なのに旗本さんは友人飛び越えて恋人になっちゃったんだよな」
何でもないような顔をして放った質問に、私は答えられなかった。
そういえばそうだ。
恭弥くんは、私のどこを好きになってくれたんだろう？
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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします！ (2017年7月23日 18時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ！！！覚悟決めたのね…！最後まで応援してるよ夢主！！！ (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです！ (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月24日 22時
