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嫉妬 ページ47

「ねえ」



私が火照った顔をうつむかせたその時、恭弥くんの不機嫌そうな声が耳に届いた。


すると私の頭に乗せられていた大きな手がビクッとひとつ震えて、私の頭から離れてゆく。
そのことに心の中で首を傾げながら私は顔を上げた。



途端、強い力で抱き寄せられる肩。



私は目を見開いて、自身の肩を抱き寄せた人物を見上げる。


(ひええええきょうやくん!?)


見上げた先には、不機嫌そうな様子を隠しもしない恭弥くんの顔があった。
突然のことに驚いた私はあわあわと慌てふためき視線をさまよわせる。


どどどどうしたんだ恭弥くん戦闘中じゃなかったんですか?
ていうかなんでご機嫌ななめなんですかディーノが何かしましたか??


私はさらに温度を上げた頰を気にしながらも恭弥くんの機嫌を直そうと画策する。


しかし不機嫌の理由がわからない……
と挫折しかけたその時、ディーノが事情を把握したように苦笑した。


「あー……ロマーリオ、Aにちょっかいかけたな?」
「ちょっかいっつーかなあ……
いや、本当にそんなんじゃないんだぜ?
むしろお2人さんのためを思ってのお節介で、」
「ハハッ、それは恭弥に言い訳してくれ」
「そりゃないぜボス……」


若干顔色の悪くなったロマーリオ。


私はここでようやく恭弥くんの不機嫌の理由を察した。


(私がロマーリオに撫でられて、顔を赤くしたからか?)


確かに私は先ほど、ロマーリオに頭を撫でられた時に恭弥くんの話を聞いて頰を染めた。
それが戦闘中の2人の目には「ロマーリオがAにちょっかいをかけている」ように見えたらしい。


そしてディーノは苦笑し、恭弥くんは不機嫌になった。


つまり。


「恭弥くん、もしかして嫉妬してくれたんですかっ!?」


私が目をキラキラさせて尋ねると、恭弥くんは僅かに瞠目した後、ふいっと顔を背けた。


そんな態度をとる恭弥くんの耳は、しかしほんのりと赤くなっていて。
それに気づいた私はドキューンとハートを撃ち抜かれた。


「もーっ、恭弥くん大好きー!!」


堪らず抱きついた私を、恭弥くんは一瞬硬直したのちにべりっと引き剥がした。


ああ、残念……

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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします! (2017年7月23日 18時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ!!!覚悟決めたのね…!最後まで応援してるよ夢主!!! (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです! (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2017年6月24日 22時

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