照れ笑い ページ46
私と恭弥くん、そしてディーノは並盛町にある森へと足を運んでいた。
ディーノの怪我が大したものではないと知った恭弥くんが、彼との戦闘を望んだためである。
対するディーノは最初こそ拒んでいたものの、最終的には折れて頷いたのだった。
「A、ロマーリオ、離れたところにいてくれ」
「了解だ。行こうかお嬢ちゃん」
「わかりました！」
ディーノに促され、戦闘を始めた2人から十分離れたところに移動する。
私はともかくロマーリオがこれ以上離れると、ディーノが本来の力を発揮できない。
ディーノは部下がいる前でしか実力を出し切れないからだ。
実際に目の前で戦っているのを見ると、やはり圧倒されてしまう。
あまりに速すぎる動き。
私にはまったく目で追うことができない。
けれど恭弥くんもディーノも、互いの動きを読んでいるかのように攻撃をかわし、またはいなしている。
息をつく暇もない。
(すごい)
「本当にな」
「……えっ？」
私が心の中で感嘆すると、隣に立っているロマーリオが賛同するように頷いた。
私は言葉が返ってくるとは思ってもみなくて、思わず素っ頓狂な声を上げる。
もしかして私、声に出てた？
「お嬢ちゃんはあの2人が戦ってるのを見るのは初めてだな？」
「？はい、そうですね」
ロマーリオは目の前の戦闘を眺めながら、ふっと表情を和らげた。
「雲雀はな、俺たちのボスを見かければ必ずと言って良いほど戦闘を要求した。
それをボスが断れば瞬く間に不機嫌になり、『じゃあ帰れ』なんて言って跳ね除けるほどだ」
「うん、恭弥くんらしいですね」
ディーノとの戦闘に楽しさを見出しているらしい恭弥くんのことだ。
何度も戦闘を要求してディーノを困らせていたことだろう。
私が笑うと、ロマーリオもニッと笑ってこちらを見下ろした。
「だから奴の頭の中には『戦闘』と、あとは『並盛中学』ぐれーしか入ってねえもんだと思っていたわけさ。
……けど、違ったよ」
ロマーリオは私の頭にポンと手を置いて、そのままくしゃりと豪快に私の頭を撫でる。
「雲雀はいつだってお嬢ちゃんのことを気にかけてたんだ。
奴の中で、お前さんはそりゃあ大きな存在なんだろうな」
それこそお嬢ちゃんのために、ボスとの戦闘を2度も投げ出したくらいにな。
(2度？)
いつのことだろう。
それは分からないけれど、恭弥くんに気にかけてもらえるのは嬉しい。
私は照れて頬を染めながら、緩みきった笑みを見せた。
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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします！ (2017年7月23日 18時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ！！！覚悟決めたのね…！最後まで応援してるよ夢主！！！ (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです！ (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月24日 22時
