嘘発見法 ページ4
恭弥くんは向かい側のソファから立ち上がると、私の隣に改めて座る。
そしてヘリコプターに乗っていた時にしたように、私の左肩を右手で強く掴んだ。
その目はまっすぐ私を射抜いている。
この目だ。
私は今この瞬間、恭弥くんのこの目を、何よりも恐ろしいものだと感じている。
「嘘を見抜く方法、知ってるかい？」
「は……」
「君の嘘が目につくようになってから、いくつかその方法を調べてみた」
嫌な汗が背中を伝う。
恭弥くんとの距離が近い。
何もかもを見透かすその目が、至近距離で私を見つめる。
私の手が、無意識に彼を押しのけようとした。
しかしそれは恭弥くんの左手に捕まり失敗に終わる。
「人は嘘をつく時、左上に目をそらす。
これは結構知られてることだ」
「それから、質問に対してすぐに答えず、質問で返して来た時も嘘をついていると疑った方が良いらしい」
「君、自分で覚えがあるでしょ」
私は黙り込んでしまった。
質問に、質問で返した記憶がある。
答えに詰まって目を泳がせた時、私はどこを見ていたっけ？
私は恭弥くんにそれらの動作を見られていたんだ。
この短時間でどれほどその動作を繰り返しただろう。
「赤ん坊が気にしている復讐者って奴らのことは、もういい。
僕が知りたいのはそこじゃない」
恭弥くんは少しだけ間を置いて、確かめるように尋ねた。
「君は……間も無く、死ぬの？」
私は、ひゅっと息をのんだ。
「……それは、どういう意味で？」
私はまた、質問で返した。
恭弥くんはぐっと眉を寄せる。
「D・スペードが、告げてきた。たぶん僕にだけ」
「彼はなんて言ったんですか？」
「……っ、」
一向に答えない私を見て、恭弥くんはどう思っているんだろう。
けれど、彼の表情は今までにないほど苦しそうだった。
『彼女の生命エネルギーが、ほとんど感じられない』
『生きてこの世に存在しているのが不思議なほどだ』
『おそらく、もう長くは生きられない』
それを聞いて私はもしかして、と思い至った。
私が元の世界の記憶を取り戻したあの夢を、覗いていた者があったと言うが。
あれはD・スペードだったのではないか、と。
しかし彼らの言う「死ぬ」とは、どうやら死ぬ気の炎の枯渇が原因となるものの方であるようだ。
「私が元の世界に帰るため、この世から消える」という意味ではない。
私はひとまず、安堵した。
そして恭弥くんの目をまっすぐに見て、言う。
「私は、」
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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします！ (2017年7月23日 18時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ！！！覚悟決めたのね…！最後まで応援してるよ夢主！！！ (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです！ (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月24日 22時
