看過 ページ23
月曜日。
私はあくびを堪えつつ登校する。
昨日は結局、恭弥くんと一緒に昼寝をして終わってしまった。
恭弥くんがあまりにもぐっすりと眠っているものだから、釣られて眠くなってしまったらしい。
私は床に座り込んだまま、恭弥くんが眠るソファに頭を預けてすやすやと眠った。
そして先に起きた恭弥くんに文字通り叩き起こされたのである。
『なんでそんな体勢で眠れるの』
心底不思議そうに尋ねてきた恭弥くんに、私は曖昧な笑みを返しておいた。
恭弥くんだって、背もたれがない椅子に座って寝てたことあったじゃないか。
私にとってはあれこそ不思議である。
＊＊＊
何でもないようなひと時を、大切な人と過ごす。
私はそんな幸せな時間を噛み締めていた。
ツナたちは代理戦争を目前にして忙しなく動いている。
けれど学校には来ているので、寂しい思いをすることもなかった。
ツナの家で話し合いをしてから、了平さんと話すことも増えた。
話題はもっぱらツナかボクシングか京子ちゃんのことだけど。
京子ちゃんやクロームとは、甘い物の話をすることが多い。
今度一緒にケーキ屋さんに行こうと約束した。
また、ツナの話題が上がることもしばしばあった。
やはり2人にとっても、ツナの存在というのは大きいものなのだと再確認した。
獄寺くんは相変わらずツナ至上主義で取っつきにくいけど、最近は私のことを気にかけてくれるようになった。
以前からその傾向はあったものの、やはり基本的に面倒見が良いらしい。
私の元に復讐者が現れていないかと心配してくれているようだった。
ツナは平常通り京子ちゃんに見惚れつつ、獄寺くんや山本に振り回されていた。
疲労の色を濃くしながらも、やはり友達と過ごす時間が楽しいのだろう。
今日も元気なツッコミの声が響いている。
野球部の練習風景を見に行くと、いつだって真剣に、そして楽しそうにプレーをする山本の姿があった。
野球と同じように、ツナたちと過ごす時間も大切なものなのだろう。
彼らと話している時の山本は、いつも笑っていた。
私も、そんな当たり前の日常を楽しんでいた。
もう視界の端には「おわり」の文字が見え隠れしている。
それを見て見ぬふりをすれば、私はまだ笑っていられた。
まだ、この日常に身を置くことができていた。
「最近楽しそうだね、Aちゃん」
ツナが嬉しそうに言う。
私はそれに頷いて、パッと笑顔を見せた。
「うん、楽しいよ！」
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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします！ (2017年7月23日 18時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ！！！覚悟決めたのね…！最後まで応援してるよ夢主！！！ (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです！ (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月24日 22時
