決断 ページ17
「タイムリミットまで、残り2週間だ。
……君が共に過ごした『大好きな人たち』には、別れを告げるのか？」
チェッカーフェイスの問いに、私は言葉を詰まらせた。
お別れは、言ってはいけないのだと思う。
お別れを言うとしたら、本当のことは言えないから、事実を濁して告げることになる。
例えば「引越しをしなければならない」とか「父の海外出張について行くことになった」とか。
そんな私に、優しい彼らは「また会えるよ」と言ってくれるのだろう。
それも、きっと本心から。
しかし実際は、元の世界に帰れば一生こちらに戻っては来られない。
それは、酷い裏切りのように感じるのだ。
だから彼らとは何も言わずに別れた方が良いのかもしれない。
……今まで共に過ごしたみんなの前から、何も言わずに姿を消す。
それも酷い裏切りに思えるが、程度の差の問題だ。
「お別れは……言わない、と思います」
私が苦心して出した答えに、チェッカーフェイスは重々しく頷いた。
そして「それが賢明だろう」と言って、私の肩にぽんと手を置く。
私は後ろを振り返ってチェッカーフェイスを見た。
「ならば、『帰る』と決断した時は私を呼び給え。君を見送らせてほしい」
仮面でよく見えないものの、チェッカーフェイスは口元に笑みを浮かべていた。
私は彼の申し出に瞠目した後、じわりと滲んだ涙を拭いつつ「はい」と呟く。
「ありがとうございます」
＊＊＊
気がつけば、私はいつもの自室で朝を迎えていた。
私はベッドから降りようとして、ふと右手を見る。
右手の中指には、透明な石のついたリングが嵌っていた。
(これを介して、チェッカーフェイスを呼べば良いんだったな)
私は中指からそれを外した。
そして部屋の中から長めのチェーンを探し出すと、それに指輪を通す。
ネックレス状となったそれを、私は首から提げた。
外からは見えないように、ネックレスを服の中に入れる。
これでオーケー。
制服に着替え、ポケットに許可証が入っていることを確認し、「よし」と頷く。
(残り、13日)
悔いが残らぬよう過ごさねば。
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りり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行しますので、そちらでもよろしくお願いします！ (2017年7月23日 18時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - ゆ、夢主ぃ！！！覚悟決めたのね…！最後まで応援してるよ夢主！！！ (2017年7月23日 14時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鈴写さん» どうしても越えられない一線はやっぱりあるのかなと思いまして。汲み取っていただけて嬉しいです！ (2017年7月23日 7時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
鈴写 - 寂しいの話、悲しいなぁ (2017年7月22日 23時) (レス) id: 0e41f4585d (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーさん» 2人に会話をさせていたら自然と風紀委員長がログインしていました(笑) (2017年7月19日 21時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年6月24日 22時
