屋上 ページ36
「Ciao, signorina.」
気さくに話しかけて来たのは金髪のイケメン。
その後ろに黒スーツを纏った男が控えていた。
「俺はディーノ、こっちはロマーリオだ」
「わ、外国人ですね。私は旗本Aです」
可愛いお嬢さんだな、と息をするように女性を褒めるディーノは生粋のイタリア男だ。
私はそれに動じず「あ、えと、あ、ありがと、ござマス」と恭弥くんの背後に回りながらお礼を言った。
そして余裕の笑みで「ディーノさん、も、……格好良いですうぅ……」と恭弥くんの背に張り付きながら返した。
……いや、強がりはよそう。
やましい心が無いとはいえ、あのイケメンのキラースマイルを相手に平常心を保つのは無理だった……
「なるほどなあ。
こりゃ、恭弥が構いたくなるのも分かるぜ」
ディーノさんはそう言って笑っているらしかった。
らしい、というのは私がまだ恭弥くんの背にびったりと張り付いたまま顔を上げられず、彼の表情を確認できないからである。
恭弥くんが珍しく何も言わずに放置してくれているので、すっかり顔を上げるタイミングを失ったせいもあるけど。
「……」
「ハハ、睨むなよ。これくらいは挨拶だ」
顔の赤みも引けてきたので、そろりと顔を上げる。
そういえば、ディーノさんがいるということはやっぱり今は修業中だったのか。
一応私は何も知らされていないので、修業云々は知らない振りをしなければならない。
「恭弥くん、あの、知り合いの方……？」
「君には関係ない」
「関係が出来るかもしれな……すみません違います違うんです」
売り言葉に買い言葉でそう言うと、射殺さんばかりの目つきで睨まれた。
生意気でしたねすみません殺さないで……
「駄目だぜ恭弥、女性には優しくしねーと」
「うるさいよ」
恭弥くんはディーノさんに向き直って武器をぐっと握り直す。
そして私を一瞥すると「もう帰りなよ」と言った。
戦いの様子は見れなかったけど、そう言われたら帰るしかないか。
ていうか私、何しにきたんだって思われそう。
何か、何か予定があったように見せかけないと……
「恭弥くん、綱吉くんたちが最近学校に来てないみたいなんですけど、連絡きてますか？」
よし、完璧。
「……さあ」
「うーん、そうですか。
お忙しい中すみません、さよならー」
やっぱり教えてくれないのか。
いや、本当に知らないのかな？
ぺこりと3人に一礼して、駆け足で階段を下りた。
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りり(プロフ) - みーさん» お楽しみいただけているのでしたら嬉しいです！これからどんどん絡みを増やしていきたい…ので頑張ります！！ (2017年4月22日 20時) (
レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
みー - あぁーー！！！萌える展開ごちそうさまです！続き楽しみに待ってます！ (2017年4月22日 18時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - liar@嘘つきさん» 多分このすれ違いはしばらく続きますw 応援ありがとうございます！完結まで頑張ります！ (2017年4月10日 22時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
liar@嘘つき(プロフ) - 主人公ちゃんと雲雀さんのすれ違ってる感じが良いですね！良いねボタンがあったら50回以上押してたかもw これからも無理せず頑張ってください (2017年4月10日 22時) (レス) id: fa6b5c8eda (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - さにー☆彡さん» ありがとうございます！平日の更新は不定期になりますが、頑張ります！ (2017年4月9日 19時) (レス) id: 9b4824fc1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年4月8日 0時
