第197話 今までの旅 1 ページ32
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それから千鳥は帝国で1日を過ごした。
帝国の部室を見せてもらったり(雷門の部室のは大違いで、まるでプロの使う部室だった。)、 彼らの練習風景を見たり。
鬼道の他数人の様子が少しおかしいことを気にかけながらも、楽しく1日を終えたのだった。
そして、次の日の夕暮れ。
千鳥は綱海に教えてもらった鉄塔広場に足を運んでいた。
階段を上り、タイヤの下がった木のある広場にやってくる。そこには円堂、豪炎寺、鬼道、そして吹雪がいた。
「みなさん、ここに居たんですね」
千鳥は笑って声をかける。4人はそちらを振り向くと、少し目を丸くした。千鳥を見つけた途端ぱあっと顔を明るくした円堂が「千鳥！どうしてここに？」と千鳥に駆け寄る。
「キャプテンを探していたんです。」
「オレを？」
「はい。携帯に電話しても繋がらなくて。木野先輩に相談したら、ここじゃないか、って言ってたので…。」
円堂は「はは、ごめん」と頭を掻く。
円堂が携帯をいじる姿が想像できない千鳥は「気にしないでください。」と笑った。
「でも、どうしてオレを探してたんだ？」
「北海道に旅立つ前に、雷門の皆さんにちゃんと挨拶したくて。さっき目金先輩にお会いしてきたので、キャプテンが最後なんです。」
「そっか。じゃあ千鳥、お前もこっちに来て一緒に…。」
そう言って円堂が千鳥を3人の元に案内しようとしたときだった。その会話が聞こえていたのだろうか、豪炎寺が「いや、円堂。お前は千鳥と2人で話して来い。」とそれを止めた。
「千鳥も積もる話があるよね。ゆっくり2人で話しておいでよ。」
「士郎くん…ありがとう！」
吹雪と鬼道も豪炎寺に賛成なようだ。少し笑って頷くと、3人で鉄塔広場を出る階段に向かった。
2人だけ残された鉄塔広場で、千鳥は円堂と共にベンチに腰掛ける。サッカーボールを大事そうに抱えて街を見下ろす円堂は、本当に円堂らしい。
「3人とどんな話をされていたんですか？」
円堂の顔を見上げて千鳥は尋ねる。円堂も視線を千鳥へ向け、「ああ。今までの旅の振り返りさ。」と答えた。
「今までの旅…いろんなことがありましたね。」
円堂の言葉に、千鳥は記憶に思いを巡らせた。
脳裏にたくさんの映像が思い浮かんでいく。すぐ前の出来事なのに、何故かとても懐かしく感じられた。
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いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
