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ローソクを消したケーキは、お酒が入った今は食べれないからと冷蔵庫に。
椅子からソファーにうつった私たちは、志麻君が買ってきたまさかの2本目の高級ウイスキーを
飲みながら、他愛もない話をしていた。
「結構飲んだけど…酔っちょらん？」
「私はまだ大丈夫だけど…志麻君は？」
「俺もまだ大丈夫やで。」
と、言う割に方言が出始めている志麻君もほろ酔いくらいだろう。
そんな志麻君の視線は、私の右耳に向いている。
「ピアス、つけてくれとるんね。」
「そりゃ、志麻くんからもらったものだし、おしゃれだし。」
「んー、そっか。の割に俺と出かけるときつけとらんやんかー」
「つけたいけど、さすがにねぇ……」
今日、私が付けているピアスとネックレスは志麻君から誕生日プレゼントにともらったもので
志麻君の左耳にも、同じデザインのピアスが付けられている。
……だから、同じ場所とかに行くときはなんとなくつけてないんだけどね。
それを気にせず、少し拗ねてお酒を飲んでいる志麻君。
完全に酔う前にプレゼントを渡しておかないと。と、ソファーの端っこにおいてある
カバン…これも、志麻君からもらったものだなぁと思いながらその中を探る。
「A？」
「ちょっと待ってー」
「んー」
ほどなくして見つけた小さな紙袋と、その中に入っている黒い箱。
少し深呼吸をしてから、彼の前にそれを差し出した。
「ん？」
「はいこれ、誕生日プレゼント。」
「あー…今年もありがとうな、開けてえぇ？」
「もちろん。」
照れくさそうに笑いながら、包みをほどいていく志麻君。
その中は、私がここ数年で揚げたものとは少し違うものが入っている。
ちなみに、ここ数年私が志麻君にあげたプレゼントは手袋にマフラー、去年はカバンで
志麻君からはカバンにネックレス、そしてピアスをもらっている。
「は…え……時計？」
「そ、志麻君に似合うと思って。」
「めちゃくちゃ嬉しいわ……ありがとうな。」
そう言って、早速つけてくれる志麻君。
よかった。気に入ってもらえて。
黒い革のベルトが特徴的なおしゃれな時計に一目ぼれして。
志麻君に似合うだろうな、って買った高級品である。
「俺もプレゼントあるねん。ちょっと取ってきてえぇ？」
「ありがと……ん？取ってくる？」
「そ、ちょっと待っててな。」
志麻君が向かったのは玄関で、ドアが閉まる音まで聞こえて。
…どこまで取りに行ったんだろうな？？
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