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「完成!」
「マジで!?これ全部作ったん?」
「うん、時間かかっちゃってごめんね…」
「全然かまわんよ、うわー…うまそー…」
1時間以上かけて作ったのは
唐揚げとハンバーグ、オムレツにサラダ。
少し子供っぽいかなとも思ったけど
志麻くんは喜んでくれているようだ。
荷物を床に置き、食べ物を運んで…ソファーに並んで座る。
「じゃ、いただきます!」
「はいどうぞ。」
「…んっ……うまっ!お菓子とかもらって思ったけど、やっぱA料理うまいなぁ。」
「ホント?よかったー…口に合って。」
ほっとした私も、オムレツを口に運ぶ。
おいしいよ、お母さん教えてくれてありがとう!と
心の中でお礼を言って、2人でどんどんと食べ進めていった。
後はケーキとマフラーを渡すだけ…
「んー?なんや、こっち見て。」
「な、なんでもないよ!」
「そう?」
ジーっと見ていたらどうやらばれたようで、慌てて食べ進める。
そのあとは話しながら食べ始め
少しだけ残ったものは志麻くんが明日の朝に食べてくれるそうだ。
…だから、いよいよケーキの時間。
緊張で心臓がバクバクいってるけど…頑張れ、私。
「志麻くん、これ私からの誕生日プレゼント。」
「ありがとう、開けてえぇか?」
「うん、その間にケーキ持ってくるね!」
反応が怖くなったから、ケーキを取りにキッチンに行けば
リビングからあったかそう!という声が聞こえた。
志麻くんに合うと思って買った
シンプルな黒のマフラーは気に入ってもらえたようだ。
よし、あとはケーキだけ…箱から取り出して
ろうそくを刺しておく。火をつける道具はもうあっちにある。
「どう…?」
「めっちゃうれしい、明日から毎日使うわ…ってそれまさかケーキ!?それ作ったん!?」
マフラーを首に巻いていた志麻くんの視線が
ケーキにくぎ付けになる。
そうだよ、と答えてケーキをテーブルに置き
ロウソクに火をつける。
そして、恒例のあの歌を歌って祝えば
一息で火を消した志麻くんは…そのまま私を抱きしめてきた。
「志麻くん?」
「俺今めちゃくちゃ嬉しい…ホンマ、ありがとうな。」
「私の方こそ、喜んでくれてホントに良かった……」
「あーもう……好きやで、A。」
「わ、私だって好きだよ。」
付き合って最初のイベントとプレゼントは
大成功に終わって本当によかった。
その後食べてもらってケーキも
おいしいと言ってもらえたし私もすごいうれしい。
お誕生日おめでとう志麻くん、これからもよろしくね。
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憧葛 - こんばんは、憧葛です!作品を読ませていただきました。いやもう本当にどれも神作ばかりで……素敵なお話をありがとうございました!これからも頑張ってください! (2021年12月7日 18時) (レス) @page38 id: e0ae3127c5 (このIDを非表示/違反報告)
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