194馬鹿 第一印象が悪いと良い印象はもたれない ページ44
「のぅのぅ!A!次はこのお手玉で遊ぶのじゃ!」
「はいはい」
鎖那姫からお手玉を数個手渡されホイホイっとお手玉をしていく。
すると姫さんはキャッキャッと喜んだ。
「Aはお手玉が上手いな!」
「そりゃあどうも、ありがとさん……なぁ姫さん」
「何じゃ?」
姫さんがくりくりとした大きな目を此方に向けてくる。
見た目からして乱太郎たちと同じくらいの年だろうか?
「あの〜、今まで連れてきた子供たちは今どこに?」
「それなら、地下におるはずじゃよ」
「……その子達を、家族の所に戻してあげてくれないか?」
「何故じゃ?あの子達はわらわのモノなのに……」
「……」
恐らくこの子は城から出たことがなくて私たちが思っている常識が分からないのだろう。
だから、私は責めはしない。
私は姫さんに向き直り諭すように言葉を紡いだ。
「姫さん、お父上とお母上は好きかい?」
「勿論大好きじゃ!」
「それと同じように姫さんが連れて来たあの子達にも帰る場所があるんだ……きっと、その子達もお母さんやお父さんに会いたいと思うよ」
「むー……」
「……その子達の代わりと言っちゃあなんだが、私がいるじゃん。私だけじゃ不満かな?」
「不満はないぞ!Aはわらわと一杯遊んでくれるから好きじゃ!」
そう言って満面の笑みを浮かべるお姫さんの頭を優しく撫でてやる。
普通ならこの行為は斬首ものかもしれないが、姫さんは嬉しそうに笑みを深めた。
「じゃあ、あの子達を解放してあげてよ。友達からのお願いだ」
「……分かった!おい、鬼影いるのじゃろう!」
「お呼びですか、鎖那姫様」
音もなく降りてきたのは片目に大きな傷を持った大男だった。
ちなみに傷のある目は開いている。
服からして忍者だろうか。
「地下にいる者達を元居た町に帰すのじゃ。もうわらわには必要ないからのぅ」
「……かしこまりました」
そう一言だけ言ってすぐ天井裏に戻って行った。
これは、私の勝手な印象だがあの鬼影って奴、姫さんの事をそんなによく思っていないように感じたな。
それも嫌いとかじゃなくてなんというか姫さんが邪魔みたいな感じに思えたのだ。
アイツは個人的に気にくわないなぁ。
「A!次はこれで遊ぶのじゃ!」
「分かった、分かった」
姫さんに声をかけられたので私は一度考えるのを止めた。
今度はおはじきか?
「綺麗なおはじきだねぇ」
「そうじゃろう!これは母上がくれたんじゃ!」
姫さんはそう無邪気に笑った。
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長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» 人それぞれ自分が書きやすい書き方というのがあると思います。何より自分が楽しく書くのが一番だと私は思いますよ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 俺、てきとーに考えて、最後どのように終わるなんて考えないで書いてる。そして書いてる最中に思い出すと、それを書いてる…………‥…‥って読みにくいよね。俺、話や書き方?が自分でもよくわからなくなることがあるのだ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» そうですね、この作品を書き始めた頃ぐらいですかね 私は書く前にどういう終わり方にするか考えてから書くようにしているんです (2016年5月18日 8時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 結構前からってドのくらい前よ( ̄△ ̄;)俺は、頭に浮かんだら、それを書く。的な感じでやってるよ。 (2016年5月18日 8時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» コメントありがとうございます この話は結構前から組み立てていたので早く書くことが出来ました。もう少し続きますのでどうぞ見ていってください (2016年5月17日 22時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月3日 1時