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185馬鹿 久々のお使い ページ35

鉢屋から告白されその告白をけった数週間ほどたったある日。
私はまたもや学園長に呼ばれて庵にやって来た。


「何か御用ですか?」

「うむ、この手紙を金楽寺の和尚の所に届けてほしいんじゃ」

「それはいいですけど……こういうのっていつも忍たまに頼んでません?」

「そうなのじゃが、今はどの学年もある調査で忙しくてのぅ」

「ある調査?何なのかお聞きしても?」


私はそう聞いた後、学園長は傍に置かれていたお茶を一口飲んで口を開いた。


「実はのぅ、ある町で突如幼子が消えるという神隠しが多発しているのじゃ。この事件を授業の一環として調査しているというわけじゃ。」

「はぁ〜なるほどねぇ」

「じゃから、お主も十分に気を付けるのじゃよ」

「分かりました……では今から行ってきますね」

「あぁ、よろしく頼むぞ」


こうして私は、学園長の部屋を退室し外出届を取りに行った。
その時に、今一番会いたくない奴に会ってしまった。


「あ……」

「……A」


それは少々疲れた様子の鉢屋だった。
私は鉢屋の目を見ないように言葉を紡ぐ。


「は、鉢屋。何か疲れてるみたいだけどあんまり根を詰めてるといつかぶっ倒れるぞ」

「あぁ、分かった……なぁA」

「じ、じゃあ!私はこれからちょっと金楽寺まで用事をすませに行かなきゃだからじゃあな!!」

「あ、おい!」


鉢屋の自分を呼び止める声が聞こえるが聞こえないふりをしてその場を急いで離れた。
と言うか、自分から鉢屋に話しかけてどうする!こんなんじゃ鉢屋も忘れられないだろう!
そう自分に言い聞かせながら足を動かすスピードを速めた。


しばらく動かしていた足を止めて後ろを振り向く。
もう鉢屋の姿は見えない。私は思いっきり息を吐いた。
息を整えている時ある人物に声をかけられた。
声の聞こえた方に視線を移すとそこには一年い組の伝七と左吉だった。


「こんにちは、Aさん」

「おぉ、伝七に左吉か。こんにちは」

「これから何処かに出かけるんですか?」

「あぁ、ちょっと金楽寺の和尚の所に手紙を届けに行くんだよ」


私がそう言うと二人は自分たちも行きたい!と言いだした。
別に断る理由がないので一緒に行くことになった。
二人は急いで外出届を取りにその場を離れる。
彼らとはこの後正門で待ち合わす約束をした。


まさかこの選択があんな事に繋がるとはこの時の私は思いもしなかった。
あの子たちを連れて行かなければ……。





後悔しても、もう遅いのだ。

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長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» 人それぞれ自分が書きやすい書き方というのがあると思います。何より自分が楽しく書くのが一番だと私は思いますよ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 俺、てきとーに考えて、最後どのように終わるなんて考えないで書いてる。そして書いてる最中に思い出すと、それを書いてる…………‥…‥って読みにくいよね。俺、話や書き方?が自分でもよくわからなくなることがあるのだ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» そうですね、この作品を書き始めた頃ぐらいですかね 私は書く前にどういう終わり方にするか考えてから書くようにしているんです (2016年5月18日 8時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 結構前からってドのくらい前よ( ̄△ ̄;)俺は、頭に浮かんだら、それを書く。的な感じでやってるよ。 (2016年5月18日 8時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» コメントありがとうございます この話は結構前から組み立てていたので早く書くことが出来ました。もう少し続きますのでどうぞ見ていってください (2016年5月17日 22時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月3日 1時

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